去年1年間に自殺した人の数 増加に転じる 感染拡大も影響か

去年1年間に自殺した人は2万919人で、10年連続で減少していた自殺者数は増加に転じました。国は新型コロナウイルスの感染拡大が影響している可能性があるとして分析を進め対策を強化することにしています。

警察庁によりますと、去年1年間に自殺した人は、速報値で2万919人で、過去最少だったおととしより750人、率にして3.7%増えました。

自殺者の数が前の年より増加するのは、リーマンショック直後の2009年以来です。

男女別では、
男性が1万3943人と135人減った一方で、
女性が6976人で前の年より885人増えて過去5年間で最も多くなりました。

また、子どもの自殺も目立っていて、
小学生13人、
中学生120人、
高校生307人にのぼり、
小中学生と高校生を合わせた自殺者数440人は去年11月までの集計で過去最多となっています。

都道府県別では、
東京都が2237人と最も多く、
次いで大阪府が1379人、
神奈川県が1245人、
埼玉県が1181人、
愛知県が1173人などとなっています。

国は、新型コロナウイルスの感染拡大が影響している可能性があるとして分析を進めるとともに、民間の機関とも連携したさまざまな対策を強化していくとしています。

厚労省「悩み抱え込まずに相談を」

厚生労働省は「コロナ禍による経済状況や生活環境の変化などが影響している可能性があり、悩みに応じて専門の支援機関につなげるなどの対策に引き続き力を入れていく」としています。

そのうえで「新型コロナウイルスの影響で生活に不安を感じている人が多いと思うのでひとりで悩みを抱え込まずに身近な人や支援機関、自治体の窓口などに相談してほしい」と呼びかけています。

厚生労働省は、各地の相談窓口を紹介するサイトも設けています。

URLは「https://shienjoho.go.jp/」で、「厚生労働省支援情報」で検索できます。

掲載されている窓口では、電話のほかメールやSNSなどでも相談を受け付けています。

一部の窓口では、相談が急増してすぐに対応できないケースも出ているということで、厚生労働省は「つながらない場合は、ほかの窓口も探してどうか相談先を見つけてほしい」としています。