介護現場のハラスメント対策 厚労省が重点施策として強化へ

介護の現場で働く人たちがサービスを利用する高齢者やその家族から暴言などのハラスメントを受けるケースが相次いでいるとして、厚生労働省は職場環境の改善に向けた重点施策を示す計画に、ハラスメント対策を初めて盛り込む方針を固め、対策を進めることになりました。

厚生労働省によりますと、介護職員は2018年度の時点で全国でおよそ197万人に上っていますが、急速な高齢化などを背景に深刻な人手不足の状態が続いています。

その一方で介護サービスを利用する高齢者やその家族から
▽大声でどなられるなどの暴言や、
▽手をたたかれたりモノをなげつけられたりする暴力などのハラスメントを受けるケースが相次いでいて、
離職の背景となっている実態があります。

このため厚生労働省は来年度から6年間の介護現場での職場環境の改善に向けた重点施策を示す計画に、ハラスメント対策を初めて盛り込む方針を固めました。

具体的には
▽介護事業所が対策マニュアルを活用できるよう整備したり、
▽自治体が行う事業所を対象にした研修や相談体制の強化にかかる費用を助成したりするとしています。

計画の案は22日に開かれる厚生労働省の審議会で示される見通しで、今後、議論が進められたうえで来年度から対策が進められることになります。

民間のシンクタンクが2019年に行ったハラスメントについての実態調査では、介護の現場で働くおよそ1万人から回答を得ました。

それによりますと
▽「これまでに利用者からハラスメントを受けた経験がある」と答えたのは介護老人福祉施設は70.7%、訪問介護は50.1%、通所介護は45.6%などとなりました。

▽利用者や家族からハラスメントを受けたと回答したうち、「仕事を辞めたいと思った」と答えたのは介護老人福祉施設は36.4%、訪問介護は29.3%、通所介護は29%などとなっています。