ヨーロッパ中央銀行 必要に応じ追加の対策とる方針確認

ドイツやフランスなどユーロ圏19か国の金融政策を担うヨーロッパ中央銀行は今の政策を維持した一方、新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動への影響が長期化するおそれがあることから必要に応じて追加の対策をとる方針を示しました。

ヨーロッパ中央銀行は21日、理事会を開いて当面の金融政策を協議し、
▽金融機関から資金を預かる際の金利をマイナス0.5%で据え置くとともに、
▽各国の国債などを買い入れて大量の資金を供給する量的緩和策の規模を維持しました。

先月の理事会では去年、緊急対策として導入した資産買い入れの規模を増やすなど金融緩和の拡大に踏み切っていて、今回はその効果を見極めるため、今の金融政策を維持した形です。

ただ、ユーロ圏では新型コロナウイルスの感染拡大が依然として深刻で、今月に入ってフランスやドイツが規制の強化や延長に踏み切るなど経済活動への影響が長期化することへの懸念が強まっています。

また、各国でワクチンの接種が始まりましたが多くの人に行き渡るまでには時間がかかる見通しです。

このため、ヨーロッパ中央銀行は先行きが今も不確実だとみていて、今回の理事会で必要に応じて追加の対策をとる方針を確認しました。

ラガルド総裁「感染の拡大は引き続き深刻」

ヨーロッパ中央銀行のラガルド総裁は理事会のあとの記者会見で、ユーロ圏の経済について「新型コロナウイルスのワクチンの接種が始まったことは危機の解決に向けた重要なマイルストーンだが、感染の拡大は引き続き深刻なリスクとなっている」と述べて、去年10月から12月はマイナス成長となった可能性があり、ことし1月から3月も経済活動への打撃が続くとの見方を示しました。

また「変異したウイルスへの対応で各国はより厳しい対策を迫られる可能性がある」と指摘し先行きは不確実だと強調しました。