プロ野球 来月からの沖縄での春キャンプ 無観客で開始へ

来月1日から始まるプロ野球の春のキャンプは、沖縄県内でも当面、観客を入れないことが各球団から発表され、これで12球団の1軍キャンプはすべて無観客で始まることになりました。

沖縄県内では阪神、中日、DeNA、広島、ヤクルト、ロッテ、楽天、日本ハムの8球団が来月1日から春のキャンプを始めるほか、巨人は来月16日から那覇市で2次キャンプを予定しています。

一方、沖縄県は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて来月7日まで県独自の緊急事態宣言を出したうえで、この期間に県内で行われるプロ野球のキャンプに観客を入れないよう要請しました。

このため来月1日から沖縄県内でキャンプを始める球団は20日、政府と県独自の緊急事態宣言の両方が解除されるまで観客を入れないことを発表しました。

各球団は今後の観客の受け入れについて「両方の緊急事態宣言が解除されたあと、地元自治体と相談し改めて検討する」としています。

また、ロッテは沖縄の石垣島でのキャンプに観客を入れないことをすでに発表しています。

これで12球団の1軍キャンプは宮崎県と合わせてすべて無観客で始まることになりました。

このほか、高知県では阪神の2軍と西武の2軍が主体のグループがキャンプを行う予定ですが、このうち阪神は全国的な感染拡大の状況を受けて自治体と協議のうえ、高知でのキャンプも当面、無観客で行うと発表しました。

各球団の監督の反応

DeNAの三浦大輔監督は「たくさんの方がキャンプを見学に来て選手たちに力を与えてくれていた。活気があったのが無観客になり、非常に残念だが、しかたないことかなと思う。今はキャンプを行えるだけでも感謝しているし、感染予防の面でもみんなで我慢しながら今できることをやっていくしかない」と話していました。

ロッテの井口資仁監督は「キャンプは無観客ということで、こういう状況の中だがしっかりプロ野球を12球団で盛り上げていきましょうという話になった。石垣島にキャンプを見に行くことを楽しみにしている方もたくさんいたと思うが、われわれは開幕に向けて石垣で無事にキャンプができたらと思う」と話していました。

西武の辻発彦監督は「キャンプまで無観客とは想像していなかった。きつい練習の中、ファンの声援があると選手の頑張る力になる。本当に寂しい思いはあるが、われわれの一番の目標は12球団が足並みをそろえて安全な中で3月に開幕を迎えること。選手がどろんこになってやるキャンプを見学したいファンもたくさんいると思うが、シーズンに入ってファンのみなさんが球場に足を運べるように今は我慢のときだと思う」と話していました。

球団オーナー「受け手側も配慮」 選手「少し残念」

DeNAの南場智子オーナーは、東京 渋谷区にある親会社を訪れた新人選手に会社の経営状況などを説明したあと、報道各社から来月1日からのキャンプが無観客になったことについて聞かれ「しかたのないことだ。受け入れてくれる沖縄でも宣言が出ているので受け手側のことも配慮しなければいけない。異例のキャンプとなるが、プロの自覚を忘れず、キャリアをスタートさせるので変わらずファンの存在を大切にしてほしい」と話していました。

また、ドラフト1位で入団した入江大生投手は「いろいろな方々に自分のプレーを早く見せたいと思っていたので無観客のキャンプは少し残念だ。ただ、逆の発想をすればより野球に真摯(しんし)に向き合えるので、1日も早く横浜スタジアムでプレーしているところをファンに見せたい」と話していました。