老人保健施設でコロナ感染も 入院できず感染拡大が相次ぐ 大阪

医療体制のひっ迫で入院できず感染が広がっている実態が明らかになりました。大阪府内の老人保健施設で、入所する高齢者が新型コロナウイルスに感染しても最大で2週間以上入院できず、その間に施設内で感染が広がるケースが相次いでいることが、施設で作る団体の調査で明らかになりました。

大阪府内の老人保健施設の団体は今月、加盟する188の施設を対象に施設での感染状況などについてアンケート調査を実施し、20日までに70%にあたる131施設から回答を得ました。

それによりますと、入所者や従業員などに感染者が出た施設は44施設で、全体の3分の1に上っていました。

このうち感染者の集団=クラスターが発生した8つの施設では、第3波に入った10月下旬以降、利用者が感染しても入院できず、その間に施設内で感染が広がったということです。

中には2週間以上、入院できないケースもあったということです。

また、患者の中には、その間に症状が悪化し、救急搬送されたものの死亡した人もいたということです。

高齢者の感染が確認された場合、国は入院を原則としていますが、医療体制のひっ迫で入院できず感染が広がっている実態が明らかになりました。

調査した団体の木場康文事務局長は「感染者がすぐに入院できたケースでは、クラスターは発生しておらず、医療のひっ迫は理解しているが早期に入院させてほしい」と話しています。

大阪府は「病床はひっ迫していて、医療が必要な人を優先しており、高齢者というだけでは入院できなくなっている。施設内で感染拡大を防ぐため保健所による支援や助言を続けていきたい」としています。