神戸市 「自宅療養ゼロ」方針を転換 コロナ自宅待機者の増加で

新型コロナウイルスの家庭内での感染拡大を防ごうと自宅での療養を原則認めていなかった神戸市が、実際には感染者を受け入れる病院や施設が決まらないケースが増えているとして自宅療養を認める方針を決めました。健康状態をチェックし、重症化を防ぐ対策に力を入れるとしています。

神戸市は、新型コロナウイルスの感染者を原則として、いったん入院させ、軽症や無症状の場合にはホテルなどの宿泊施設で療養させる「自宅療養ゼロ」の方針をとってきました。

しかし、兵庫県内では感染者が急増し、自宅で待機している人が18日の時点で722人に上るなど、受け入れ先の病院や施設が決まらないケースが増えていました。

このため神戸市は方針を転換し、これまで認めてこなかった自宅での療養を一定の条件を満たした場合に限って認める方針を明らかにしました。

具体的には、無症状または軽症で、呼吸の状態を示す血液内の酸素濃度が96%以上、そして個室での隔離や消毒などの感染対策がとれる場合です。

神戸市は、自宅での重症化を防ぐため、保健所が電話などで1日1回必ず健康状態を確認するほか、24時間、連絡が取れる体制をとるなど対策を強化するということです。

神戸市健康局の花田裕之局長は、会見で「感染者が減らず残念だ。自宅で亡くなるような事態が絶対にないよう、最大限の努力をする」と述べました。

兵庫県は「自宅療養ゼロ」の方針

一方、兵庫県は「自宅療養ゼロ」の方針を引き続き掲げていますが、自宅待機する感染者が増えていることから、井戸知事が「自宅待機する人のフォローアップをきっちり行うため、高齢者などの家庭訪問や健康管理のシステムをつくらないといけない」という考えを示しています。