感染拡大は経済や地政学的リスクに 世界経済フォーラム報告書

「ダボス会議」を開催している世界経済フォーラムは、新型コロナウイルスの感染拡大によって医療などの面で格差が広がるおそれがあり、中長期的には経済や地政学的なリスクにつながりかねないとする報告書を公表しました。

世界経済フォーラムは19日、各国の学識経験者ら650人以上の意見をもとに世界が直面するさまざまなリスクをまとめたことしの報告書を公表しました。

報告書では、引き続き気候変動を重大なリスクと位置づけたうえで、今後2年では新型コロナウイルスの感染拡大が大きなリスクとなり、人々の生活が脅かされるだけでなく医療や所得、デジタル技術などにおける格差がさらに広がるおそれがあると指摘しています。

▽3年から5年後には資産バブルの崩壊や債務危機といった経済のリスクに、
▽5年から10年後には国家の崩壊といった地政学的リスクにつながりかねないとしています。

そして、新型ウイルスへの対応に世界全体であたるしくみを早急に作り上げるべきだと訴えています。

世界経済フォーラムの年次総会にあたる「ダボス会議」はことし、新型ウイルスの影響で毎年恒例のスイスでの開催ができなくなり、かわりに来週、オンラインによる会合で世界の政財界のトップらが新型ウイルスへの対応を議論することになっています。