三井不動産 東京ドーム運営会社のTOB成立と発表 周辺再整備へ

三井不動産は19日、東京ドームの運営会社を子会社にするTOB=株式の公開買い付けが成立したと発表しました。新型コロナウイルスの影響で業績が落ち込んでいる東京ドームや周辺施設のエリアを再整備する方針です。

三井不動産は、東京ドームの運営会社の完全子会社化を目指して行っていたTOB=株式の公開買い付けの結果を19日発表しました。

それによりますと、買い付けに応募した株式は全体の84%余りに達し、目標としていた66.67%を上回って、TOBが成立したということです。

三井不動産は残りの株式も買い取りを進めて、東京ドームをいったん完全子会社にしたうえで、株式の20%を読売新聞グループ本社に譲渡する方針です。

東京ドームは、新型コロナウイルスの影響でプロ野球の試合や観客が減少したことに加え、イベントの中止やそれに伴うホテルの宿泊客の減少などで業績が悪化しています。

三井不動産は、商業施設やホテルの開発や運営のノウハウを生かし、東京ドームや周辺のホテルや遊園地などがあるエリアを再整備して、運営会社の業績の回復を目指すことにしています。

東京ドームをどう変える?

東京ドームをはじめ、遊園地やホテル、温泉などの施設がある「東京ドームシティ」は年間およそ4000万人が来場する施設です。

三井不動産は、山手線の内側に広さ4万坪ある立地を生かして一体的に再整備する考えです。

このうち、1988年に完成した東京ドームは、老朽化対策やデジタル化を課題と位置づけ、飲食や物販のサービスに携帯端末で注文ができるモバイルオーダーのシステムを導入したり、高速大容量の5Gの通信インフラを整備して、デジタル技術を駆使した試合の演出などで来場者の増加や満足度の向上を目指したいとしています。

また、大型ビジョンやデジタル看板による広告スペースを拡充し、収益力を強化するほか、施設のバリアフリー化も進めたいとしています。

一方、ドーム周辺にある遊園地、ホテル、温泉などの施設では、新たなテナントを誘致したり、施設の混雑状況を配信するシステムを導入したりして、集客力や、来場者がエリア内の複数の施設をめぐる回遊性を高めたいとしています。