飲食店の営業時短で“1人用の鍋”の需要高まる

緊急事態宣言に伴う飲食店の営業時間短縮で自宅で食事をする機会が増えたことを背景に、すき焼きなどが楽しめる1人用の鍋など家庭で使う調理器具の需要が高まっています。

専門店が連なり、飲食店の関係者が多く訪れる東京・台東区の合羽橋商店街で100年以上営業している調理器具店では、感染拡大の影響で飲食店や旅館など業者向けの売り上げが以前の6割ほどに落ち込んだほか、外国人観光客もほとんど訪れることがなくなりました。

今回の緊急事態宣言を受けて飲食店などからの注文はさらに減っていますが、代わって伸びているのが個人客向けの販売です。

在宅勤務の増加や飲食店の営業時間短縮で自宅で料理を作る人が増えていることを背景に、個人客向けの売り上げが以前のおよそ1.5倍に伸びているということです。

店によりますと、すき焼きや雑炊が楽しめ旅館などで使われる1人用の鍋や、ファミリーレストランで使われるようなステーキ用の鉄板、それに卵焼き器などが人気を集めているといいます。

こうした商品は、これまで個人客が買うことは少なかったということで、この店では小さめの中華鍋を新たに仕入れるなどして個人客のニーズに対応しています。

調理器具店社長「2回目の宣言で注文 がくんと減った」

調理器具店「飯田屋」の飯田結太社長は「少しずつ戻っていた飲食店からの注文は、2回目の緊急事態宣言後にがくんと減ってしまった。コロナ禍で家にいる時間が増え、新しい料理に挑戦するなど家で料理を楽しみたいと考える人が多くなったと感じている。個人客の売り上げが支えになり助かっている」と話していました。