“鼻マスク”正さず成績無効 入試センター「総合的に判断」

感染が拡大する中で実施された「大学入学共通テスト」で、マスクから鼻が出た状態を正さなかった受験生の成績が無効になったケースを受け、文部科学省は18日、追加の説明を行い、この受験生が再三の指示に従わず別室への移動にも応じなかった対応などが総合的に判断されたとして「息苦しさなどでマスクを一瞬外すだけで無効となることはない」と説明しています。

17日までの2日間に1回目の本試験が実施された大学入学共通テストでは、初日に都内の会場でマスクから鼻が出た状態だった受験生1人が、監督者から鼻を覆うよう試験中に6回、さらに休憩時間も注意されたものの正さず、不正行為と認定されて成績が無効になるケースがありました。

今回の共通テストでは、受験生は会場で正しくマスクを着用することが求められていて、大学入試センターは「次の注意で無効になる」と告げたあとも受験生が応じず「試験場で監督者などの指示に従わない」という不正行為の要件に該当したと発表していました。

センターから報告を受けた文部科学省は18日追加の説明を行い、この受験生は試験中に注意する紙を示した際に手で払ったほか、英語のリスニングの試験を前に別室に移動を求めたところ「これが自分の正しいマスクの着用で、不正行為の指示はおかしい」と応じず、席から動かなかったため、ほかの受験生を別室に移動させざるを得なかったことを明らかにしました。

関係者によりますと、この受験生は40代で、最終的に不正を告げられると会場内のトイレに閉じこもり出て来なかったことから、かけつけた警察官によって退去させられたということです。
今回のケースを受け、マスクの着用をめぐり不安や抗議の声が数十件寄せられているということですが、文部科学省は、繰り返し指示に従わず移動にも応じなかった対応や、ほかの受験生への影響を含めて総合的に判断されたとして「息苦しさなどでマスクを一瞬外すだけで即座に注意されたり、無効になったりすることはない」と説明しています。