卓球 石川佳純 5年ぶり優勝 伊藤美誠に4対3 全日本選手権 女子

卓球の全日本選手権は男女のシングルスの決勝が行われ、女子では、ともに東京オリンピックの代表に内定している石川佳純選手が伊藤美誠選手にゲームカウント4対3で競り勝って5年ぶり5回目の優勝を果たしました。

大阪市で開かれた全日本選手権は大会最終日の17日、男女シングルスの決勝が行われ、女子は石川選手と伊藤選手という東京オリンピックの代表に内定している選手どうしの対戦となりました。

石川選手はゲームカウント1対1の第3ゲーム、7対6とリードしましたが、伊藤選手の強烈なフォアハンドなどで5連続でポイントを奪われ、7対11で落としました。

続く第4ゲームも終盤に逆転を許して奪われました。

あとがなくなった石川選手は、第5ゲーム、10対10のデュースから強化しているレシーブとサーブで攻めて12対10で取ると、第6ゲームも奪って、勝負は最終の第7ゲームにもつれました。

このゲームも終盤まで競り合いましたが、9対9から石川選手が持ち味のフォアハンドを厳しいコースに積極的に打ち込んで、11対9で取りました。

石川選手は伊藤選手にゲームカウント4対3で競り勝って5年ぶり5回目の優勝を果たしました。

伊藤選手は勝利まであと1ゲームとしたあと、得意のスマッシュを石川選手に返されたり、卓球台をオーバーするミスが出たりするなど3ゲームを続けて落として逆転を許し、2年ぶりの優勝はなりませんでした。

石川「優勝でまだやれる まだやりたいと強く感じた」

5年ぶりの優勝を果たした石川佳純選手は、伊藤美誠選手との決勝について「伊藤選手は、国際大会で強豪の中国選手を相手に結果を出している選手なので、きょうは胸を借りるつもりで臨んだ。リードされる展開でもあきらめることなく戦うことができた」と振り返りました。

そのうえで5年ぶりの優勝となったことについて「自分自身、プレースタイルや年齢的にも『もう優勝は無理なんじゃないか』と考えて、落ち込んだこともあったが、自分の可能性を信じればそうじゃないということを卓球を通して教わった。きょうの優勝でまだやれる、まだやりたいと強く感じることができた」と時折、涙を浮かべながら話していました。

伊藤「自分自身に笑われているような感覚」

準優勝だった伊藤美誠選手は「負けたときは現実が受け止められなくて固まってしまった。『何やってるんだ』と自分自身に笑われているような感覚で立っていられなかった」と話しました。

そのうえで、序盤のリードからの逆転負けに「序盤のできがよかったからこそ考え方が固まってしまって、相手が対策をしてくると分かっていてもこちらからいろいろと仕掛けることができなかった。今後は常に試合の出足だと思って、勝っているときも切り替えていけるようにしたい」と話していました。

石川 “チャレンジ”掲げた取り組みが実を結ぶ

5年ぶりの優勝を果たした石川佳純選手。

全日本選手権で10代の選手に敗れることが続いた中、「チャレンジ」をテーマに掲げて取り組んできた攻めのプレーが実を結びました。

石川選手は4年前に平野美宇選手、3年前は伊藤美誠選手、おととしと去年は早田ひな選手といずれも当時10代の選手に敗れて、優勝から遠ざかっていました。

決勝の後のインタビューで、「もう無理なんじゃないかと思ったこともあるし、周りから言われることもあった」と涙ながらに振り返りました。

それでもコーチや家族などから「全然やれるよ。もっともっと自分の可能性を信じて」と声をかけられ、「自分が自分を信じないとだめ」と奮い立ったといいます。

そんな石川選手がここ数年、取り組んできたのが、サーブとレシーブの強化です。

ラリーを得意とする石川選手ですが、速いタイミングで積極的に攻めてくる若手に対抗するには、リスクを負ってでも厳しいコースに打ち込むサーブやレシーブを身につけなければいけないと考えたからです。

その成果は、伊藤美誠選手との決勝であらわれました。

先に3ゲームを奪われてあとがなくなった第5ゲーム、10対10のデュースの場面。

あと2ポイント落としたら負けが決まる勝負どころで、石川選手は伊藤選手のサーブを厳しいコースに返して先手をとり、ポイントにつなげました。

さらにサーブでポイントを奪い、このゲームを取って、その後の逆転勝ちにつなげました。

試合後、石川選手は、「チャレンジすることによってしかこういう結果は得られないと改めて感じて、自信になった。今までと違うレシーブや攻撃を勇気を持ってプレーできたことが勝因」と話しました。

「チャレンジ」をテーマに掲げ、進化を続けることで、5年ぶりに日本一の座をつかんだ石川選手。

半年後の東京オリンピックに向けて、大きな手応えをつかんだ大会となりました。