来春の大卒採用 11年ぶり減少の見込み 飲食や宿泊業を中心に

来年春に卒業予定の大学生などの採用は、新型コロナウイルスの感染拡大で業績が悪化している飲食や宿泊業などを中心に、11年ぶりに減少が見込まれるという調査結果がまとまりました。

この調査は情報サービス大手のリクルートが毎年行っていて、今回は4516社から回答を得ました。

それによりますと、来年春に大学や大学院を卒業予定の学生について、
▽採用数を前の年より「減らす」と答えた企業は11.6%、
▽「増やす」と答えた企業は7.7%で、
「減らす」が「増やす」を3.9ポイント上回りました。

「減らす」が「増やす」を上回ったのは、リーマンショックの影響で採用を控える動きが広がった2011年春の新卒者の調査以来11年ぶりです。

業種別では、
▽飲食店・宿泊業で、「減らす」が「増やす」を15.7ポイント上回っているほか、
▽食品などの卸売業で6.1ポイント、
▽製造業で5.8ポイント、「減らす」が上回りました。

一方で、人手不足が続く建設業や医療・福祉では、「増やす」が「減らす」を上回っています。

リクルートワークス研究所の古屋星斗研究員は「感染拡大で業績が悪化した業種の採用は厳しいが、逆に採用を増やすチャンスと捉える企業もあり、学生は就職先の選択肢を広く考える必要がある」と話しています。