米 ポンペイオ国務長官「WHOは武漢の研究所の調査を」

アメリカのポンペイオ国務長官は中国 武漢にあるウイルス研究所の複数の研究員がおととしの秋に、新型コロナウイルス感染症とよく似た症状になっていた可能性があるとして、現地入りしているWHO=世界保健機関の調査チームに対し、中国政府に対応を迫り、徹底した調査を行うよう求めました。

新型コロナウイルスの発生源などについて調べるWHOの調査チームは14日に中国で最初に感染拡大が確認された湖北省武漢に入りました。

これにあわせて、アメリカのポンペイオ国務長官は15日、「中国科学院武漢ウイルス研究所」に関する「新たな情報がある」とする声明を発表しました。

この中で、ポンペイオ長官は「アメリカ政府には、感染拡大が確認される前のおととし秋、研究所の複数の研究員が新型コロナウイルス感染症やほかの季節性の病気とよく似た症状になったと信じるに足る理由がある」と主張しました。また、「研究所は新型コロナウイルスに最も近いコウモリのコロナウイルスを遅くとも2016年から研究していた」とか、「中国軍のための極秘の研究に関わっていた」などと主張しました。

そのうえで、ポンペイオ長官は「WHOの報告が信用されるためには、ウイルスのサンプルや内部告発者などに制限なくアクセスできることが重要だ」として、WHOの調査チームに対し、中国政府に対応を迫り、徹底した調査を行うよう求めました。

トランプ大統領はこの研究所からウイルスが流出した可能性があると主張してきましたが、中国政府は「全くのでっちあげだ」と否定していて、今回、中国が研究所の調査を認めるかも焦点となっています。