トランプ大統領の弾劾裁判の評決 退任前は不可能か 共和党幹部

共和党の上院トップマコネル院内総務は13日、議会下院でトランプ大統領の弾劾訴追が決議されたことを受けて声明を出し、今月20日の政権交代前に議会上院での弾劾裁判で有罪か無罪かの評決を下すことは不可能だという見通しを明らかにしました。

声明では過去の議会上院での弾劾裁判では評決を下すまでに21日間から83日間かかっているとするとともに「議会上院の規則や手続き、それに先例から判断すると、バイデン次期大統領が来週就任する前に公正で真剣な裁判が終わる可能性はない」としています。

そのうえで「仮に今週、議会上院での手続きを始めたとしても、最終的な評決に達するのはトランプ大統領の退任後になるだろう」として、今月20日の政権交代前に議会上院での弾劾裁判で有罪か無罪かの評決を下すことは不可能だという見通しを示しています。

そして「現実的に見て立法府と行政府が政権移行までの7日間、バイデン次期政権に向け、安全な就任式と秩序だった政権移行の準備に集中することがもっとも国益にかなう」としています。

トランプ大統領 ビデオ声明で弾劾訴追に言及せず

トランプ大統領は13日、アメリカの連邦議会に暴徒化した大統領の支持者らが乱入した事件をめぐって議会下院で弾劾訴追が決まったあと、ビデオ声明を出し「先週起きた暴力行為を明確に非難する。この国で暴力や破壊行為が許される場はない。私の本当の支持者の中には政治的な暴力を支持する人はいない」と述べ、強く非難しました。

ただ声明では弾劾訴追されたことには一切言及していません。

弾劾訴追の内容

決議では大統領選挙での不正を訴えるトランプ大統領の姿勢を問題視し、連邦議会での支持者らによる乱入の直前に開かれた集会で、意図的に議事堂での違法行為をあおったとして「反乱の扇動」で弾劾訴追し、大統領の罷免を求めています。

この中でまず「トランプ大統領は、大統領選挙の結果を確定する連邦議会の会議の前から、選挙では大規模な不正があり、結果は承認されるべきではないという誤った主張を繰り返した」としています。

そのうえで今月6日、連邦議会で選挙結果を確定する合同会議の審議中に大統領の支持者らが乱入した事件に言及し「トランプ大統領は会議の直前に集会で演説し『徹底的に戦わなければ国は成り立たない』と述べるなど、前後の文脈からみて議事堂での違法行為をあおる発言を意図的に行った」と主張しています。

また「トランプ大統領は今月2日、南部ジョージア州のラフェンスパーガー州務長官に電話し、大統領選挙の結果を覆すことができる票を見つけるよう迫り、脅迫した」としています。

そして「トランプ大統領が職務にとどまれば、国の安全、民主主義、そして合衆国憲法の脅威であり続けるため、弾劾訴追して弾劾裁判を開いたうえで罷免し、公職に就く資格を剥奪するのに値する」と強く非難しています。

ペロシ下院議長「誰も法を超越できない」

議会下院でトランプ大統領の弾劾訴追を決議したことを受け、ペロシ下院議長は記者団を前に決議に署名するとともに、採決で与党・共和党の一部の議員が賛成に回ったことを踏まえ「きょう議会下院は、たとえ大統領であろうとも、誰も法を超越することはできないということを超党派で示した」として、党派を超えた動きだと強調しました。

そのうえで「ドナルド・トランプは、私たちの国にとって、明確かつ現存する危険だ。反乱を扇動する大統領が、この国にいることに心を痛めている」と述べて、大統領を改めて強く非難しました。

バイデン次期大統領が声明「米への武力反乱 責任を問うべき」

バイデン次期大統領は、トランプ大統領が弾劾訴追されたことを受けて声明を出し、大統領に騒乱をあおった責任を取らせるべきだという考えを示しました。

声明では「私たちは先週、民主主義に対する前例のない攻撃を目にした。この攻撃は、トランプ大統領によって暴力をあおられた政治的な過激派とテロリストによって実行された。アメリカに対する武力による反乱であり、責任を問われなければならない」としています。

そのうえで「議会下院はきょう、憲法の下で与えられた権限を行使し、大統領の弾劾と責任を問うことに投票した。憲法と良心に従った超党派の投票だった」として、議会下院がトランプ大統領の弾劾訴追を決議したことを評価しました。

さらにバイデン氏は、議会上院での弾劾裁判に関して「この国は、致命的なウイルスと景気の低迷の中にある。上院指導部が弾劾に関する憲法上の責務に対処すると同時に、この国の喫緊の仕事にも取り組む方法を見つけることを願っている」として、新政権発足後、取り組むとしている、経済対策や閣僚人事の承認手続きなどへの配慮を求めました。

ニューヨーク市長 トランプ一族経営の企業と契約解消へ

ニューヨーク市のデブラシオ市長は13日、大統領の一族が経営する企業との契約を打ち切る方針を明らかにしました。

デブラシオ市長は記者会見で、トランプ大統領があおったことで乱入事件が起きたという認識を示したうえで「今後、市から利益を得ることは認めない」と述べました。

アメリカのメディアによりますと、トランプ大統領の一族が経営する「トランプ・オーガニゼーション」は、セントラルパークのスケート場やメリーゴーラウンド、それに市内のゴルフ場などの運営契約を結んでいて、金額は年間で合計1700万ドル、日本円でおよそ17億6000万円に上るということです。

これに対して「トランプ・オーガニゼーション」側は「市に契約を打ち切る権利はない」などと反論しているということです。