トランプ大統領の罷免求める弾劾訴追 下院で可決 任期中2度目

アメリカの連邦議会にトランプ大統領の支持者らが乱入した事件をめぐって議会下院は、大統領の罷免を求める弾劾訴追の決議案を可決し、トランプ大統領は歴代大統領で初めて、任期中2度弾劾訴追されました。トランプ大統領はその後、ビデオでの声明を出し、事件を強く非難したものの弾劾訴追については言及しませんでした。

アメリカの連邦議会に暴徒化したトランプ大統領の支持者らが乱入した事件をめぐって議会下院は13日、大統領の罷免を求める弾劾訴追の決議案を可決し、トランプ大統領は弾劾訴追されました。

弾劾訴追の決議案は一般の刑事事件での起訴状に相当し、この中ではトランプ大統領の言動が騒乱をあおったなどとして「反乱の扇動」に当たるとしています。

トランプ大統領はおととし、いわゆるウクライナ疑惑をめぐっても弾劾訴追されていて、任期中に2度、弾劾訴追されるのは歴代大統領で初めてです。

弾劾の手続きでは、議会上院で有罪か無罪かを判断する弾劾裁判が開かれますが、共和党の上院トップ、マコネル院内総務は声明を出し、今月20日の政権交代前に評決を下すことは時間的に不可能だという見通しを示しています。

今後、民主党は上院での弾劾裁判でトランプ大統領の責任を追及する構えですが、弾劾裁判で有罪とするには出席議員の3分の2以上の賛成が必要で、どこまで共和党議員の賛同を得られるかや、国内の世論の動向などが焦点となります。

トランプ大統領 暴力を強く非難も弾劾訴追に言及せず

トランプ大統領は弾劾訴追が決まったあと、ホワイトハウスのツイッターのアカウントに演説の動画を投稿し、「この国で暴力や破壊行為は許されない。私の本当の支持者には政治的な暴力を支持する人はいない」として、一連の暴力を強く非難しましたが、弾劾訴追されたことについては言及しませんでした。

アメリカFBI=連邦捜査局はバイデン次期大統領の就任式が行われる1月20日にかけて全米で武装した集団によるさらなる抗議デモが計画されているとして警戒を強めています。

就任式を前に首都ワシントンで警戒高まる

アメリカの連邦議会に暴徒化したトランプ大統領の支持者らが乱入した事件を受けて緊張が高まるなか、首都ワシントンでは、来週のバイデン次期大統領の就任式を前に中心部の道路が相次いで封鎖されるなど、厳戒態勢が敷かれています。

FBI=連邦捜査局も武装した集団による抗議デモが計画されているとして警戒を呼びかけていて就任式が行われる連邦議会の周辺では、自動小銃などで武装した州兵らが数十メートルおきに立って警備にあたっていました。

また、議事堂から数百メートル手前には高さ3メートルほどのフェンスが張り巡らされ、近づけないようになっています。

さらに市内のバス停などに設置された液晶スクリーンには情報提供を呼びかけるため、議会に乱入したトランプ大統領の支持者らの顔写真が映し出され、司法当局は逮捕につながる情報を寄せた人には5万ドル、日本円にしておよそ520万円の懸賞金を出すとしています。

議会を見に来ていた男性は、「これほどの警備は予想していませんでした。平和的な権力の移譲は民主主義の礎ですが今回の事態を見ると怖い気持ちになります。なるべく早く、この状況を乗り越え、前に進めればいいなと思います」と話していました。

官房長官「平和的政権移行を期待」

加藤官房長官は午前の記者会見で「米国の民主主義が、こうした困難な状況を乗り越えて、社会の平穏と協調を取り戻すとともに、平和的かつ民主的な政権移行が進み、バイデン次期大統領のもとで、米国の国民が一致結束して歩んでいくことを日本政府としては引き続き、期待していきたい」と述べました。