新型コロナ“専門病院化” 近く出産予定の妊婦からは困惑の声

東京 渋谷区の都立広尾病院など都内の3つの病院が実質的に新型コロナウイルスの専門病院となることを受けて、これらの病院で近く出産する予定だった妊婦からは困惑の声が上がっています。

このうち都立広尾病院で2月4日に帝王切開で出産する予定だった20代の女性は、1月8日に受けた妊婦健診の際に病院側から突然「2月、3月が出産予定日の人は広尾病院での出産ができなくなった」と伝えられたと言います。

女性は現在、国が指定する難病を抱える双子を育てていて、出産後、子どもに発作が起きた際にも、そばにいられるよう、双子のかかりつけの医師がいる都立広尾病院で出産することを望んでいました。

女性は「ショックと驚きでパニックになってしまい、これからどうしたら良いのだろう、安心して産むことができる病院が無くなってしまったという不安でいっぱいになりました」と話していました。

その後、病院側から紹介された複数の別の病院に問い合わせましたが、いずれも出産にかかる金額が高かったり距離が遠かったりして今も出産する病院が決まっていないといいます。

女性は「東京都や渋谷区にもお金の相談をしましたが、差額は自己負担なので、病院と話し合ってほしいと言われるばかりでした。お金のない人たちは、遠くまで歩いて病院に通わなくてはいけないのでしょうか。家で産めばよいのでしょうか。追い詰められていますが、解決方法がなくどうしたらよいかわかりません。金銭面やメンタル面のケアも考えた政策をしてほしいです」と話していました。