「絶望的な状況」緊急事態宣言 拡大へ 各地の反応は

政府は13日、緊急事態宣言の対象地域に、大阪などの関西3府県、愛知、岐阜の東海2県、それに福岡と栃木の合わせて7つの府県を追加する方針です。
このうち岐阜県高山市の土産物店からは「宣言終了まで1か月ほど続くのであれば経営は絶望的な状態です」といった声が聞かれました。
各地の反応をまとめました。

岐阜 高山の土産物店

岐阜県を含む7府県を対象にした緊急事態宣言の追加について、古い町並みなどが人気の岐阜県高山市の土産物店からは、先の見通せない不安や今後の経営を危ぶむ声が聞かれました。

江戸時代の風情が残る高山市の古い町並みには、例年は国内外から多くの観光客が訪れますが、今は観光客の姿はほとんど見られず、休業している店も多く、閑散としています。

和装用の小物を販売する土産物店の社長は「緊急事態宣言の影響か、きょうは定休日でもないのに開いていない店も多いです。店の売り上げの8割ほどが観光客によるものなので、観光客が1人も歩いていないような状況が、緊急事態宣言終了まで1か月ほど続くのであれば経営は絶望的な状態です」と話していました。

また、別の土産物店の支配人は「高山市を訪れてくれる数少ない観光客におもてなしをしたいので、緊急事態宣言が出ても、何とか営業を続けたいです。『Go Toトラベル』で多くの観光客が来たことを受けて、たくさんの商品を仕入れましたが、再び観光客がいなくなって在庫をどうすればいいか困っています」と話していました。

福岡の医師は…

福岡県を含む緊急事態宣言の対象地域の拡大について、患者の入院調整などにあたる県の調整本部の副本部長を務める野田英一郎医師は「2週間後には県が確保している病床が埋まってしまう可能性があると考えており、この時点での緊急事態宣言というのは医療機関にとっても県の調整本部としてもありがたい」と述べました。

そのうえで「中途半端な対策をとればとるほど緊急事態宣言が必要な時間が長くなる。一気に対策をとって感染のリスクを減らしてしまえば、緊急事態宣言が必要な期間は短くて済むので県民にはしっかりと対策、対応をとってほしい」と述べました。

福岡のもつ鍋店

福岡県を含む緊急事態宣言の拡大について、福岡市のもつ鍋店は、「開店休業の状態になるが、テイクアウトなどで何とか乗り切りたい」と苦しい心境を語りました。

福岡市内で9つの店舗を営業するもつ鍋店では、席ごとに仕切りを設けたり、鍋を取り分けるおたまを一人一人に個別に用意したりして感染対策を行ってきました。

去年11月には、「Go Toキャンペーン」の影響もあり、売り上げが前の年を上回るほど客足が回復していましたが、感染の拡大にともなって客が減り、先月のそれぞれの店舗の売り上げは、前の年に比べて6割から7割にまで減ったということです。

そうした中での緊急事態宣言となり、このもつ鍋店では、店舗ごとに午前0時から2時までとなっている営業時間を早ければ14日から午後8時までに短縮する方向で検討しているということです。

もつ鍋店の水谷崇社長は「営業時間を短縮すると開店休業の状態になってしまうが、命がいちばん大切なのでしかたない。テイクアウトや冷凍のもつ鍋セットの通信販売にも力を入れてなんとか乗り切りたい」と話していました。

兵庫 “協力金”の問い合わせ相次ぐ

政府が緊急事態宣言を出すのを前に、飲食店に支払われる協力金に関心が集まっています。

宣言を受けて、兵庫県は14日から県内全域の飲食店を対象に営業時間を午後8時までに短縮するよう要請し、要請に応じた事業者に対して1日当たり6万円の協力金を支給します。

県が設置した協力金の問い合わせ窓口にはすでに1日400件以上の問い合わせが相次いでいて、13日も10人の職員が、対応に追われていました。

県によりますと、協力金の対象となる県内の飲食店はおよそ2万8000店で申請の受け付けは緊急事態宣言の期限が終わる来月8日から始まります。申請書の書式は今月下旬に公表する見通しだということで、県は、対象となる飲食店に、営業許可証など添付書類の準備を進めるよう呼びかけています。

県防災企画課の小野山正課長は「コロナの感染を止めるために営業時間の短縮に協力をお願いしたい。そのために協力金をぜひ活用してほしい」と話しています。

淡路島のホテル 休業検討も

緊急事態宣言に向けて、関西有数の観光地、淡路島では休業を検討するホテルも出ています。

兵庫県淡路島のなかで人気の観光地の1つ、洲本市の洲本温泉にある「淡路インターナショナルホテル ザ・サンプラザ」は、13日情報の収集に追われていました。

このホテルは54の客室があり、「Go Toトラベル」の一時停止で、年末年始の稼働率はおよそ60%と厳しい状況でした。

兵庫県が先週8日に緊急事態宣言を出すよう政府に要請する方針を決定して以降、これまでにおよそ400件のキャンセルがあり、今後も増えることが見込まれるため来月7日までの期間中、休業することを検討しています。

このホテルは去年の緊急事態宣言のときも休業しました。

去年4月から12月までの9か月間の売り上げは前の年の同じ時期と比べておよそ25%減少し、厳しい状況が続いていますが、正社員やパートおよそ80人の雇用は雇用調整助成金を活用して守り、休業中には施設のメンテナンスを行って春の観光シーズンに備えたいとしています。

ホテルの樫本文昭社長は、「スタッフは感染対策に神経を使い疲れも出ているので、この機会に休養してもらうことも必要だ。次のスタートダッシュに向けて準備を進めたい。緊急事態宣言は来月で終えてもらい、『Go Toトラベル』を早く復活させてほしい」と話していました。

栃木 足利のおでん屋

栃木県足利市の中心部にあるおでん屋では、これまで、座席数を減らして間隔を空けるなどの感染予防対策をとり、午後11時まで営業を続けてきました。

しかし、栃木県に緊急事態宣言が出される見通しとなり、県内すべての飲食店に営業時間の短縮要請が行われる可能性があることから、この店では要請に応じて営業時間を短縮したうえで、テイクアウトのメニューを充実させて、売り上げを確保する対策を検討しているということです。

足利市のおでん屋「もっくもっく」の木村勲武店長は、「時短営業になるのは、厳しい面があるのは事実ですが、今回の自粛で徹底的にウイルスを封じ込めてまたお客さんに気兼ねなく飲みにきてほしいです」と話していました。

京都 観光地では休業する店も

緊急事態宣言の対象地域に京都も追加されることを受けて、京都の観光地では、休業する店も多く見られました。

土産物店や飲食店が建ち並ぶ京都市東山区の清水寺周辺では、13日昼ごろの人通りは少なく、シャッターを閉めて休業する店も多く見られました。

このうち八ッ橋の販売店では、13日から店を閉めることを決め、来月7日まで臨時休業することを知らせる貼り紙を店の前に貼っていました。

販売店の店長は「関西も感染者が増えていたし宣言が出されることはしかたないと思いますが、経営的には厳しいです。来月7日まで閉めることにしていますが、そのあとまたどうなるのか不安です」と話していました。

また、別の土産物店は、13日から営業時間を短縮するということで、この店の店長は「緊急事態宣言はもう1度出されるだろうと思っていました。周りの店ではきのう休業を決めた店も多く、すごくさみしそうに閉めていました。飲食店だけでなくすべての業種で補償をしてほしいです」と話していました。

また、雑貨店の20代の女性店員は「営業は続ける予定ですが、前回の緊急事態宣言では売り上げが例年の10分の1ほどになり、今回の宣言でお店が存続できるのか不安です。お客さんに来ていただきたいという気持ちはありますが、いまは自粛して、感染が収まったあとにまた皆さんに気持ちよく来ていただきたいです」と話していました。