去年倒産した企業7800件余 20年ぶり低水準 コロナ支援策効果も

去年1年間に倒産した企業の数は7800件余りで、20年ぶりの低い水準となったことが分かりました。調査会社では、新型コロナウイルスの影響を受けた企業に対する政府などの資金繰り支援策の効果もあったとしています。

帝国データバンクによりますと、去年1年間に1000万円以上の負債を抱えて法的整理の手続きをとった企業の数は7809件で、前の年より6.5%減りました。

今の形で調査を始めた2000年以降では2番目に少なく、20年ぶりの低い水準となっています。

負債総額は1兆1800億円余りで、これまででもっとも少なくなりました。

調査会社では、新型コロナウイルスの影響を受けた企業に対する実質、無利子・無担保の融資といった政府などによる資金繰り支援策の効果もあって、倒産件数が減ったのではないかと分析しています。

ただ業種別でみると、飲食業が780件とこれまでで最も多くなったほか、旅館やホテルなどの宿泊業は127件と前の年のおよそ1.8倍に増えるなど、新型コロナウイルスで大きな打撃を受けている業種の倒産は増えています。

帝国データバンクでは「2回目の緊急事態宣言などで消費の冷え込みが、今後さらに長期化した場合、年度末にかけて資金繰りのめどが立たなくなった企業の倒産が増えるおそれがある」としています。