アジア開発銀行総裁 途上国への新型コロナワクチン普及を支援

アジア開発銀行の浅川雅嗣総裁は、12日東京で会見し、新型コロナウイルスの影響で経済的な打撃を受けているアジア太平洋地域の途上国にもワクチンが着実に行き渡るよう資金面から支援していく考えを示しました。

アジア開発銀行の浅川総裁は、12日都内の日本記者クラブでオンラインの記者会見を開きました。

この中で浅川総裁は、新型コロナウイルスの感染が広がる中、アジア太平洋地域の途上国にワクチンが行き渡るようにするにはワクチンの輸送や管理のシステムに多額の投資が必要になると指摘しました。

そのうえで、去年の暮れにつくった総額90億ドルの支援の枠組みなどを通じて、途上国が投資しやすくなるよう資金面から支援していく考えを示しました。

一方、新型コロナウイルスの影響で、アジア太平洋地域では、感染の拡大が続くインドネシアやフィリピン、観光業への依存が高いタイやモルディブなどの国で経済的な打撃が大きく、アジア開発銀行では先月までに99億ドル・日本円でおよそ1兆3000億円の緊急の財政支援を行っています。

浅川総裁は「ワクチンの普及に努めるが、ウイルスに効かないとなるとさらに追加の財政支援が必要になるかもしれない。状況に応じて新しい手を考え、域内の経済の安定や成長に貢献していく」と述べました。