新型コロナ 感染後の免疫 8か月間は持続 米研究グループが発表

新型コロナウイルスに感染するとヒトの体内でできる免疫は8か月間は続くとする研究成果をアメリカの研究グループがまとめ、有力な科学雑誌サイエンスに論文が掲載されました。

アメリカのラホヤ免疫研究所などの研究グループによりますと、感染した19歳から81歳の男女188人の血液を調べた結果、新型コロナウイルスを攻撃する「抗体」は、発症の20日後から8か月後まで安定して検出されたということです。

また、この特定の「抗体」を作り出すメモリーB細胞と呼ばれる細胞は、発症してから4か月後から5か月後まで緩やかに増える傾向がみられたとしています。

さらに、この細胞などを活性化させる「司令官」役の別の細胞や、新型コロナウイルスに侵入された細胞を破壊する細胞も、時間の経過とともに減少するものの多くの人で6か月以上は安定して存在することが明らかになったということです。

一度感染して体内でできる免疫が次のウイルスの侵入に備える働きは「免疫記憶」と呼ばれますが、新型コロナウイルスの場合、確認から1年ほどしかたっていないため、「免疫記憶」がどの程度続くのか詳しいことはわかっていませんでした。

ラホヤ免疫研究所のシェーン・クロッティ教授は「今回の結果から、感染者の多くは再び感染してもある程度長い期間、重症化することから守られる可能性が示された」としたうえで、今後、ワクチンでも同じようなことがおきるのか研究する必要があるとしています。