受験生の県境を越える移動に配慮を 文科省が全国知事会に要請

首都圏の1都3県に緊急事態宣言が出されたことを受け、文部科学省は8日全国知事会に対し、今後、移動の自粛を要請することがあっても、入試のために県境を越えて移動する受験生が制限を受けることがないよう配慮を求めました。

大学入試を巡っては、「大学入学共通テスト」が今月16日から予定どおり始まり、3月にかけて国公私立大学の個別の試験が行われます。

これを前に、文部科学省は全国知事会に対し、入試自体は感染リスクが低く、「大学受験は不要不急に該当しない重要な機会だ」として、各都道府県の感染状況によって人の移動に関する自粛要請が必要となる場合でも、入試のために県境を越えて移動する受験生や試験業務に従事する教職員に影響が出ないよう文書で配慮を求めました。

また、受験生の感染対策については全国の教育委員会などに向けて、試験直前に高校で感染者の集団=クラスターが発生した場合には、在校する受験生の検温を徹底させることや、共通テストの試験日までの検温結果を記した「健康観察の記録」を必ず持参することなどを学校側に周知するよう求めています。

一方、共通テストを実施する大学入試センターは8日理事長メッセージを出し、追試験を希望する際は、新型コロナウイルスへの感染で自宅待機を要請されるなどして医師の診断書を提出できない場合であっても申請できることがあるとして、受験生に対し受験票に書かれた問い合わせ先に相談するよう求めています。