介護事業者の倒産 去年 118件と最多 “宣言でさらに増加も”

去年、全国で確認された「介護事業者の倒産」は110件余りで、新型コロナウイルスの影響などで過去最多を更新したことが分かりました。調査をした信用調査会社は「緊急事態宣言を受けて利用を控える動きが長期化すれば倒産がさらに増える可能性が高い」としています。

東京商工リサーチによりますと、2020年1年間に全国で確認された「介護事業者の倒産」は合わせて118件で、前の年から7件増えました。

介護保険制度が始まった平成12年以降で最も多く、2年連続で過去最多となっています。

業種別では、
▽「訪問介護事業」が56件と全体の半数近くを占めました。

▽次いでデイサービスやショートステイなどの「通所・短期入所介護事業」が38件で3分の1近くにのぼっています。

負債総額は140億1300万円で、従業員数が10人未満の事業所が8割以上を占めました。

訪問介護事業でヘルパーの人手不足が続いていることに加え、高齢者が新型コロナウイルスへの感染をおそれて、通所介護などの利用を控えていることなどが経営の悪化につながったということです。

東京商工リサーチは、「感染対策の費用で経営が圧迫されているのに加え緊急事態宣言を受けて高齢者の利用控えが長期化するおそれがある。このままでは倒産がさらに増える可能性が高く、事業者がサービスを続けるにはこまやかな支援が不可欠だ」としています。