緊急事態宣言 全国各地の反応は 京都・北海道・福岡・愛媛

京都の観光地、嵐山では観光客の足がさらに遠のくことを懸念する声が聞かれました。

嵐山商店街によりますと、京都市右京区の嵐山では秋以降、客足が回復しつつありましたが、GoToトラベルが一時停止となった先月下旬ごろから再び減少し、多くの店が営業時間を短縮したり、定休日を増やしたりしています。

嵐山商店街の細川政裕会長は「もともとお客さんが少ない1月中旬から2月末までの閑散期に、政府が限定的に深く濃い対策をとることで、感染者が少なくなって桜のシーズンを迎えたい」と話していました。

そのうえで、GoToトラベルについて「多角的に考えると良い悪いはあると思うが、経済を回すという点では非常に良い対策だったと思う。再開に向けて段階的に考えてほしい」と話していました。

また、観光客が多く訪れる湯豆腐料理店は、客席を通常の4分の1にしたうえで、従業員を減らして営業を続けています。

森路吾郎店長は「感染者が増え続けて状況が長引くことを考えれば、緊急事態宣言はしかたがないと思うが、やはり厳しくなると思う。GoToトラベルが一時停止になり観光客もかなり減っていて、大打撃を受けているが、なんとかふんばりたい」と話していました。

北海道の新千歳空港で緊急事態宣言について聞きました。

神奈川に向かうという札幌市の40代の男性は「父の介護に行く必要があり変更が難しかった。宣言自体がこの時期に出されることはいいと思う。用事を済ませたらすぐに帰りたい」と話していました。

神戸に帰省するという当別町の60代の男性は「宣言が出されることは理解できるが、東京在住の人からすれば遅いんじゃないかと思う。旅行が好きで、関東には親戚も住んでいるが、これからさらに行き来がしにくくなる」と話していました。

また、国内線ターミナルビルで土産物店を営業する「センカ新千歳空港店」の佐藤将英店長は「宣言が出されると店としては厳しいが、感染者が増えているのでしかたがないと思う。お客さんが減るのが怖いが、在庫調整をしながらしのぐしかない」と話していました。

緊急事態宣言を受けて北海道は、特別措置法に基づいて道民に対し、対象となる地域との不要不急の行き来を控えるよう要請する方針です。

首都圏の大学を志望する愛媛県内の受験生からは、予定どおり試験を受けることができるのかといった不安の声が聞かれました。

松山市にある済美高校では3年生およそ700人のうち400人ほどがこれから大学受験を控えていて、冬休み中の6日も、来週の「大学入学共通テスト」に向けた補習授業が行われていました。

生徒の中には、今回、緊急事態宣言が出る首都圏の大学を受験する予定の人もいるということです。

このうち女子生徒は「共通テストは予定どおり実施されても、二次試験がどうなるのか不安です。自分自身が感染する心配はもちろん、ウイルスを持ち帰って周りの人にうつしたら迷惑をかけるのではないかという不安もあります」と話していました。

また、男子生徒は「緊急事態宣言で大学が試験の日程を変更する可能性などがあるかもしれないと、不安に思っています。急な変更があると勉強のこともあるので正直しんどいです」と話していました。

済美高校の青野大樹進学課長は「大学側もしっかりと対応すると思いますが、生徒も教員も不安はあります。生徒たちは3年間一生懸命頑張ってきたので、その成果が十分発揮できるような対応を考えてもらいたいです」と話していました。