産油国 生産量の目標を引き上げ 市場混乱の改善を背景に

新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な原油需要の低迷を受けて、協調して大規模な減産を続けている主な産油国は、市場の混乱が改善していることを背景にロシアなどの増産を認め、2月と3月の生産量の目標をわずかに引き上げました。

サウジアラビアが主導するOPEC=石油輸出国機構とロシアなど非加盟の産油国は4日から5日にかけて来月以降の原油の生産量を決める会合をオンラインで開きました。

これらの産油国は新型ウイルスの感染拡大による世界的な需要の低迷で急激に落ち込んだ原油価格を下支えしようと去年5月から協力して生産を絞る協調減産を続けています。

ただ、原油価格は、ワクチンの普及への期待などから去年11月以降、上昇傾向で、5日はニューヨーク原油市場のWTIの先物価格が去年2月以来となる1バレル=50ドル台にまで回復しています。

こうしたことから、会合では市場の混乱が改善に向かっているとの認識で一致し、来月と3月の生産量の目標について、ロシアとカザフスタンは増産の主張が認められ、全体としてわずかながら引き上げられることが決まりました。

ただ、感染の拡大で各国で経済活動の制限が強まっていることから、産油国の間では原油需要の先行きへの警戒感が根強く、このうちサウジアラビアは自主的に追加の減産を行い、原油価格を下支えする姿勢を示しています。