日本企業 海外企業対する買収や出資 大幅に減少 コロナ影響か

去年1年間に日本の企業が海外の企業に対して行った買収や出資は、件数と金額ともに前の年に比べて大幅に減少したことが民間の調査で分かりました。新型コロナウイルスの感染拡大が企業の経営戦略に影響を及ぼした形です。

企業買収の仲介などを行う「レコフ」によりますと、去年、日本の企業が海外の企業に対して行った買収や出資は557件と前の年より32%減って、7年ぶりに減少しました。

地域別に見ますと、アジアが44%減少したのをはじめ、ヨーロッパが31%、アメリカも21%減少しました。

また、買収や出資に投じられた金額も合わせて4兆4344億円と、57%減りました。

新型コロナウイルスの影響で企業の業績が悪化したり、世界経済の先行きに不透明感が強まったりしたことが主な要因とみられています。

国内市場が縮小している日本の企業は、海外企業の買収や出資を積極的に進めてきましたが、感染拡大が企業の経営戦略に影響を及ぼした形です。

ことしの見通しについて、調査を行った会社は「海外市場に活路を見いだそうという企業の投資意欲は引き続き高いが、感染が収束に向かわないかぎり、買収などを控える傾向は変わらないだろう」としています。