NY株式市場 ダウ 一時700ドル以上値下がり

ことし最初の取り引きとなった4日のニューヨーク株式市場は、高値への警戒感から売り注文が増え、ダウ平均株価は一時、700ドル以上値下がりするなど大きく下落しました。

4日のニューヨーク株式市場ダウ平均株価の終値は、去年の年末に比べて382ドル59セント安い、3万223ドル89セントでした。

値下がり率が1%を超えるのは、去年11月18日以来です。

ことし最初の取り引きとなった4日は、開始直後には取り引き時間中の最高値を更新しましたが、その後は値下がりが続き、一時、値下がり幅は700ドルを超えて、3万ドルを割り込む場面もありました。

年末に史上最高値をつけたダウ平均株価ですが、新型コロナウイルスの感染拡大は年末年始も収まらず、高値への警戒感もあって、当面の利益を得ておこうという売り注文が出やすくなっていました。

また、5日に行われる連邦議会上院の決選投票を前にリスクを避けようという動きもあって、市場関係者は「民主党が勝って、上院の主導権も民主党が握れば、IT関連企業を中心に大手企業への規制や増税が強まるのではないかとして、市場では株価にマイナスだとの懸念も出ている」と話しています。

ことしのNY市場の行方 専門家の見方は…

ことしのニューヨーク市場の株価について、専門家からは、新型コロナウイルスのワクチンの普及が進むことで値上がりが続くと見られる一方、株価に対する過度に楽観的な見方が広がればリスクにもなるという指摘が出ています。

アメリカに本拠を置く資産運用大手「ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ」のマイケル・アロニーチーフ・ストラテジストは、ことしのニューヨーク市場の株価について5%から10%程度の上昇を見込んでいます。

大規模な金融緩和が続くことに加え、新型コロナウイルスのワクチンの普及などで企業業績が回復するとみられることなどが背景です。

その一方で、株価が下落するリスクが年の前半にあると指摘します。

アロニー氏は「株価が最高値付近で推移している中では、少しの懸念が大きな影響を及ぼすことになる。年明けも新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、世界各国が経済活動を再び厳しく制限するような事態になれば株価の調整が起き、第1四半期で、逆に、5%から10%の下落があっても驚かない」と話しています。

そのうえでアロニー氏は、最高値水準が続いて市場が過熱し、バブルにも似た状況になれば、株価に対する市場の楽観的な見方そのものが株価下落のリスクになるとも指摘しています。