1都3県「緊急事態行動」8日から営業時間短縮の前倒しなど要請

新型コロナウイルスの感染拡大をうけて、東京、埼玉、千葉、神奈川の知事は4日夜、ウェブ会議を開き、1都3県で人の流れを抑制するための「緊急事態行動」を取りまとめ、今月8日から31日まで都民・県民に対して午後8時以降の不要不急の外出自粛や、飲食店の営業時間短縮の要請を午後8時までに前倒すことなどを要請することになりました。

東京、埼玉、千葉、神奈川の知事は、4日夜、ウェブ会議を開き、政府の緊急事態宣言の発出を待たずに1都3県で先んじて人の流れを抑制するための「緊急事態行動」を取りまとめました。
それによりますと、都民・県民に対しては、今月8日から31日まで午後8時以降の不要不急の外出自粛を要請します。

また、営業時間短縮の要請については、▽今月8日から11日までは酒を提供する飲食店などを対象に午後8時までに前倒したうえで、酒の提供は午後7時までとします。

そのうえで、今月12日から31日までは酒を提供するかしないかにかかわらず、すべての飲食店に対象を広げることになりました。

このほか、事業者に対しては、感染状況に応じて1都3県ごとに目標を設定したうえでのテレワークの徹底や、在宅勤務や時差出勤の徹底、さらに、すべてのイルミネーションの早めの消灯を要請します。

東京 小池知事「これまでとは全く異なるステージ」

東京都の小池知事は臨時の記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染状況がこれまでとは全く異なるステージに入ったと指摘したうえで、「人の流れ、人と人との接触を徹底的に抑えることが必要だ」として、都民に対して午後8時以降の不要不急の外出自粛を要請することなどを説明し、協力を呼びかけました。

この中で、小池知事は「私たちは、すでに感染状況がこれまでとは全く異なるステージへ入ったことを明確に認識していなければならない。これまでのように、感染状況に応じて一人一人がリスクを低減させるという取り組みだけではなく、人の流れ、人と人との接触を徹底的に抑えることが必要だ」と指摘しました。

そのうえで、都民に対しては、
▽午後8時以降の不要不急の外出自粛を要請するとともに、
▽3密は絶対に避けることや、
▽買い物や通院など必要な外出も短時間で済ませること、
それに、
▽不要不急の都や県をまたぐ移動を自粛することや、
▽今月9日からの3連休もできるだけ自宅で過ごすことなどを呼びかけました。

小池知事は「去年の緊急事態宣言の際には、人の流れが減って、感染が抑えられたという事実がある。再度、人の流れを強力に抑えていかなければならない」と述べました。

また、イベントの開催について「延期やオンライン開催、規模の縮小や無観客などを検討していただきたい。成人式のシーズンで、スポーツなどのイベントもあるが、そのあとの会食はなしにしてほしい」と呼びかけました。

さらに、鉄道事業者に対しては、終電の繰り上げの実施などを要請したいという考えを明らかにしました。

一方、小池知事は一連の措置が緊急事態宣言のもとで行われた場合の効果について、「これまでの要請への協力は十分に行き渡らないところがあった。宣言が発出されれば、要請を守っていただかなければ事業者を公表する項目もあり、法律的な効果を期待している」と述べました。

また、営業時間短縮の要請に伴う協力金については、「緊急事態宣言が発出されるとそれに対しての基本的対処方針が示され、そこに盛り込まれることになろうかと思う。さらに厳しい午後8時までの要請ということになると、協力いただくためには、従っていただけるような環境が必要で、国と連携しながら定めたい」と述べました。

さらに記者団から、飲食店以外に休業や営業時間短縮の要請を検討している業種があるか質問されたのに対し、「国は、現時点では、飲食店の時短を中心に考えていると聞いている。できるだけ社会の混乱がなく、感染を防止していくことを念頭にしながら、国や3県と連携しながら進めていく」と述べました。

埼玉 大野知事「病床にも極めて厳しい圧力が」

埼玉県の大野知事は、1都3県の知事によるウェブ会議のあとに会見を開き、今の感染状況について「大変厳しく感染のコントロールがきかなくなってきていて、病床にも極めて厳しい圧力がかかってきている」と述べました。

そのうえで、飲食店などに対する営業時間短縮の要請を拡大することについては、「首都圏ではこれまで時短要請による効果が上がっていない。首都圏全体で感染者数が急激に増えているので協力していただくしかない」としたうえで、「今回は1都3県で強くお願いして、実際の効果につなげたい」と述べました。

千葉 森田知事「今回がラストチャンス」

1都3県の知事によるウェブ会議のあと、千葉県の森田知事は記者団に対し、「酒の提供自粛や時短営業のお願いをしてきたがなかなか効果が出ず、年末年始も感染者が増えている。強い処置をしていかないと歯止めがかからないと判断した。今回がラストチャンスで、ここで頑張らないとコロナはおさまらない」と述べました。

そのうえで「これまでは、千葉県でなんとかしようと模索しながらやってきたが、もうどうにもならない。ここまで来たら国と1都3県がもっと強く連携しなければと、きょうに至った」と述べました。

県内全域の飲食店を対象に営業時間の短縮を要請することについては、「県内全域で感染者が増えてきている。コロナを抑えて経済を回したいところだが、ここまで来たらまずコロナだ。ただ正直者がバカをみないような法改正が必要だ。つらい部分だが経済的な落差を縮めるよう国も県も努力しなくてはならない」と述べました。

神奈川 黒岩知事「1都3県で足並みをそろえてやっていきたい」

ウェブ会議のあと神奈川県の黒岩知事が取材に応じ、今週中にも緊急事態宣言が発出される見込みとなったことについて、「菅総理大臣の決断に心から敬意と感謝を申し上げたい」と述べました。

そのうえで「1都3県が一体となった取り組みが大きな力になった」として、緊急事態宣言が発出された場合も連携して対応する考えを示し、「去年春の緊急事態宣言では、劇場や学校など幅広い業種が休業要請の対象になったが、今回は対象を飲食店への営業時間の短縮要請などに限定し、1都3県で足並みをそろえてやっていきたい」と話しました。