タイも規制強化 バンコクでは夜間の店内飲食禁止 新型コロナ

新型コロナウイルスの感染拡大への懸念が強まっているタイでは、首都バンコクで、5日からレストランなどでの夜間の店内での飲食が禁止されることになりました。

タイでは、去年5月以降新たに確認される感染者の数が1桁となる日がほとんどで、感染の拡大を抑え込んできましたが、先月中旬、バンコクに隣接するサムットサコン県の鮮魚市場で大規模なクラスターが発生したことを受けて、感染拡大への懸念が強まっています。

このため、タイ政府は4日から28の地域に対して、学校の休校や、バーやカラオケなどの閉鎖といった対策の強化を求めていて、このうち首都バンコクでは、5日からレストランなどでの午後9時から翌朝6時までの店内での飲食が禁止されることになりました。

バンコクでは、すでにマッサージ店やジム、それにボウリング場などが閉鎖されています。

タイでは感染拡大を防ぐため外国からの入国を制限していることから、観光業への深刻な影響が続いていて、今回の規制の強化を受けて飲食店やサービス業に従事する人の中からは、さらなる影響を懸念する声も出ています。

今回の措置をめぐって、当初、バンコクの当局は午後7時から店内での飲食を禁止すると発表しましたが、飲食業界が反発したため、午後9時からに変更したということです。

市民からは賛否の声

首都バンコクでは規制が強化されることに賛同する声がある一方で、経済へのさらなる打撃を懸念する声も上がっています。

バンコクの中心部にあるタイ料理店に食事に来ていた34歳の女性は「規制の強化はよいことだと思います。感染の拡大を引き起こす可能性があるならば、何であれ、やめるべきです」と話していました。

一方、この料理店のオーナーの42歳の女性は「私たちはすでに店内での距離をとったり、体温をはかったりと対策をしています。これ以上の規制には反対です」と話していました。

このほか68歳の無職の男性は「より厳しい措置で私たちの生活は悪化するでしょう。息子が失業中で私の年金で生活しているので節約しないといけません」と話していました。