米 医療施設がコロナワクチン不正入手し優先者以外に提供か

新型コロナウイルスのワクチンの接種が200万回を超えたアメリカで、医療施設がワクチンを不正に入手したうえ、優先的に接種される人以外に提供していた疑いが浮上し、警察が捜査しています。

これはアメリカ東部ニューヨーク州の保健当局が26日、声明を発表して明らかにしました。

それによりますと、ニューヨーク市内に拠点を置く医療法人「パーケア」が市近郊で運営する医療施設が、不正な申請書を使って新型コロナウイルスのワクチンを入手したうえ、州が優先的に接種するとしている医療従事者や高齢者施設の入所者ではない、一般の人に提供した可能性があり、警察が捜査しています。

アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは27日の電子版で、この医療施設の代表の話として、州の保健当局から2300回分のワクチンを受け取り、すでに850回分を投与したことや、保健当局の指針を順守しているとするコメントを伝えています。

28日に会見したニューヨーク州のクオモ知事は「われわれはワクチン接種の過程でいかなる不正も認めないし、関わった者には責任を取らせる」と述べ、非難しました。

そして、州の指針に違反した場合は最大100万ドル、日本円で1億円余りの罰金を科し、医師や看護師資格を取り消す知事令に署名すると発表し、ワクチンをめぐる不正には厳しく対処する姿勢を強調しました。