ことしの地方選挙 大半で期日前投票が最多に コロナ感染回避か

ことし行われた知事選挙と県庁などの所在地の市長選挙合わせて13の選挙のうち、11の選挙で期日前投票をした有権者の数が、これまでで最も多くなりました。専門家は、新型コロナウイルスの感染拡大で今後もそうした人の増加が見込まれるとして、期日前投票所の増設などを検討する必要があると指摘しています。

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、ことしは、熊本、東京それに栃木など6つの都県で知事選挙が、大津市、京都市それに鹿児島市など、7つの府庁・県庁所在地で市長選挙が行われました。

この選挙の投票率を見てみますと、保守分裂の激しい選挙戦となった10月の富山県知事選挙など5つで前回・4年前を上回ったものの、半数を超える8つの選挙では前回を下回りました。

一方、期日前投票をした人は、知事選挙では、
▽富山で20万5499人と前回の2倍以上、
▽栃木で20万4652人と前回のおよそ1.5倍になるなど、6つのうち5つでこれまでで最も多くなりました。

また、市長選挙でも、前橋市で3万1950人と前回の1.7倍となるなど、7つのうち6つでこれまでで最も多くなりました。

有権者の投票行動に詳しい慶応義塾大学の小林良彰名誉教授は、「コロナへの感染リスクを避けるために期日前投票が増えていて、感染拡大の収束が見通せない中、今後も都市部などで非常に増えていくだろう。やや密になっている期日前投票所もあり、棄権する人を出さないためにも期日前投票所を大規模に増やす必要があるのではないか」と指摘しています。

来年は、衆議院選挙などの国政選挙、1月の岐阜や山形をはじめ9つの県での知事選挙などが予定されていて、引き続き、選挙での新型コロナウイルス対策が課題になりそうです。