武漢から情報発信した元弁護士 「うそ流した」として実刑判決

新型コロナウイルスの感染拡大が最初に確認された中国 湖北省武漢で、ウイルスに関連したうその情報をインターネット上で流したとして起訴された元弁護士の裁判が開かれ、裁判所は懲役4年の実刑判決を言い渡しました。これに対し元弁護士側は不当な判決だと指摘しています。

中国 上海の元弁護士の張展氏は、ことし2月以降、新型コロナウイルスの感染が拡大していた湖北省武漢に入り、当局の感染対策など現地の情報をインターネット上で発信しましたが、うその情報を流したとして当局に拘束され「公共の秩序を乱した罪」で起訴されました。

28日に上海の裁判所で初公判が開かれ、弁護士によりますと、張氏は起訴された内容を認めず、審理にも応じない姿勢を示したということです。

ただ、裁判は即日結審し、裁判所は「うその情報を流し社会に悪影響を及ぼした」とする検察側の主張を認め、張氏に懲役4年の実刑判決を言い渡したということです。

張氏の弁護士は記者団に対して「うその情報を流したとする証拠は示されなかった。中国の法律でも言論の自由は認められているはずだ」と述べ、不当な判決だと指摘しました。

新型コロナウイルスをめぐって厳しい言論統制が敷かれている中国では、武漢の情報を伝えようとした人たちが拘束されるケースが複数確認されていますが、判決が出されたのは、これが初めてとみられます。