重症者病床をシートで覆い感染防止 簡易型ブースが注目集める

新型コロナウイルスで医療体制がひっ迫する中、重症者を治療するベッドをシートで覆うことでウイルスが外に漏れ出さないようにする簡易型の感染対策ブースが注目を集めています。

東京 荒川区で新型コロナウイルスの重症患者を受け入れている東京女子医科大学東医療センターでは、救命救急センター内に感染症対策が整った個室は2部屋しかなく、新型コロナウイルスの重症患者の病床を増やすため、ことし4月から簡易型のブースを導入しているということです。

このブースは、ベッドの周囲を透明のシートで囲んで設置するもので、ウイルスを除去できる高性能の空気清浄機が備えられ陰圧を保てるようになっています。

点滴や人工呼吸器の装置などをブースの外に設置することで、医療スタッフが特別な装備なしに治療にあたることができるということで、ベッドごとに設置できるため新型コロナウイルス以外の患者と並行して治療できるということです。

こうした簡易型のブースは秋以降、医療機関などで需要が高まっているということで、東京都内にあるメーカーの1つでは人員をふだんの3倍以上に増やすなどして増産体制を組んでいるということです。

このメーカーの工場の責任者は「平日だけでは納期に間に合わず、休日出勤を増やして対応している。医療従事者を守りたいという一心で製造に取り組んでいる」と話していました。
東京女子医科大学東医療センター・救命救急センターの庄古知久センター長は「簡易型のブースでも汚染された空気中のウイルスがきちんと排出されるため感染を防ぐことができている。新型コロナとそれ以外の患者に柔軟に対応するため重要な装置だ」と話していました。