スターフライヤー 110億円規模 資本増強を発表

新型コロナウイルスの影響で厳しい経営状況が続く航空会社の「スターフライヤー」は、財務基盤を強化するため、投資ファンドや複数の地元企業などから総額110億円規模の出資を受けることを発表しました。

北九州市に本社がある「スターフライヤー」は、新型コロナウイルスの影響で利用客の落ち込みが続き、今年度の中間決算で最終的な損益が過去最大の赤字になるなど厳しい経営状況が続いています。

発表によりますとスターフライヤーは、新たに株式を発行して出資を受け入れる第三者割当増資などの形で来年3月に資本増強を行うとしています。

資本増強にあたっては、▼投資ファンドの「アドバンテッジアドバイザーズ」が85億円を出資します。

▼現在、筆頭株主の「ANAホールディングス」は15億円を新たに出資します。

▼さらに地元の北九州市に本社を置き、スターフライヤーの株主でもある「TOTO」と「安川電機」がそれぞれ2億5000万円を出資するなどあわせて12社が出資に参加しました。

資本増強の総額は110億円規模になるということです。

調達資金の使い道は…

スターフライヤーは、調達する資金を▼保有する航空機の見直しなどの構造改革のための資金や、▼社内のITシステムを新しくするなど成長に向けた投資などにあてるとしています。

スターフライヤーは、北九州市に対しても支援を要請する方針で、北九州市は、支援金などの形で今年度中にも支援を行う方向で、具体的な検討に入る見通しです。

記者会見でスターフライヤーの白水政治社長は新型コロナウイルスの影響が長期化する中、今回の資本増強は避けられなかったという認識を示したうえで「再生に向けた第一歩を踏み出したばかりであり、これからが正念場になる。協力いただいた皆さんに感謝し、しっかりと経営のかじ取りをしていきたい」と述べました。

新型コロナウイルスの収束の見通しが立たない中、航空業界では、大手のANAホールディングスや日本航空も資本増強に踏み切り、財務基盤を強化する動きが相次いでいます。