東京都 新型コロナ 過去最多888人の感染確認 9人死亡

東京都は24日、1日としてはこれまでで最も多い888人が、都内で新たに新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。10日連続で曜日ごとの最多を更新したほか、7日間の平均は649人余りとなり、14日連続で最多を更新しました。また、都は、感染が確認された9人が死亡したことを明らかにしました。

東京都は24日、都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて888人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

1日の発表人数としては、1週間前の今月17日の821人を上回って、これまでで最も多くなりました。

さらに10日連続で曜日ごとの最多を更新したほか、24日までの7日間の平均は649.6人となり、14日連続で最多を更新しました。

888人の年代別では、
▼10歳未満が30人で最多、
▼10代がこれまでの最多と同じ47人、
▼20代が240人で最多、
▼30代が184人で最多、
▼40代が143人で最多、
▼50代が121人で最多、
▼60代が49人、
▼70代が38人、
▼80代が30人、
▼90代が6人です。

888人のうち、▼およそ38%にあたる339人はこれまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、▼残りのおよそ62%の548人はこれまでのところ感染経路がわかっていないということです。

感染経路がわからない人の548人はこれまでで最も多くなりました。

また、濃厚接触者の内訳は、
▼「家庭内」が179人と最も多く、
▼「施設内」が47人、
▼「職場内」が45人、
▼「会食」が26人などとなっています。

このうち「施設内」では、24日も医療機関や高齢者施設などで患者や利用者、職員の感染が相次いで確認されたほか、東洋大学の運動部の部員9人が合宿所で感染したケースもありました。

また「職場内」では、運送業の男性が同僚と車内で昼食をして感染したケースがあったということです。

イギリスから帰国の男性も

さらに888人のうち1人は、イギリスのロンドンから今月16日に帰国した30代の日本人男性です。

帰国の5日後の今月21日になってせきと頭痛の症状が出て都内の医療機関を受診しました。

22日に感染が確認され現在入院していますが、重症ではないということです。

男性が国内に入って以降、濃厚接触者がいるかどうかは調査中だということです。

イギリスでは変異した新型コロナウイルスの感染が拡大しています。

イギリスに渡航歴のある人の新型コロナウイルスの感染が都内で確認されるのは、変異したウイルスの感染が海外で確認されてから初めてです。

都は、この男性についての情報を国と共有したということですが、変異したウイルスに感染しているかどうかの確認を、今後どのように行うかも含めて、現時点での対応は決まっていないということです。
これで都内で感染が確認されたのは合わせて5万4018人になりました。

また、感染確認の参考となる3日前の21日の検査件数は1万2604件でこれまでで最も多くなりました。

都の担当者は「20代、30代の感染がかなり増えている。若い人の行動が抑制されていない面もあり、マスクをつけずにカラオケをして感染した事例もあった」として感染防止対策の徹底を呼びかけました。

一方、都の基準で集計した24日時点の重症の患者は、23日より4人増えて73人でした。

また、都は、感染が確認された70代から90代までの男女9人が死亡したことを明らかにしました。

このうち、医療機関での感染と施設内での感染がそれぞれ2人だということです。

これで都内で死亡した人は合わせて587人になりました。

都は「年末年始コロナ特別警報」を出していて、買い物や通院などやむをえない場合を除いて外出を自粛し、忘年会や新年会は避け、年末年始の帰省はできるだけ避けるなど、感染防止対策の徹底を繰り返し呼びかけています。

入院中の人や重症者など

東京都によりますと、都内で24日までに感染が確認された5万4018人のうち、入院中の人は23日より26人増えて2129人となりました。

入院患者のうち都の基準で集計した重症の患者は、23日より4人増えて73人でした。

都は、24日の時点で、重症の患者向けの病床を220床確保していますが、これを250床にするよう医療機関に要請しているほか、3280床確保している中等症以下の患者向けの病床は3750床にするよう要請しています。

また、自宅で療養している人は23日より13人減って1873人となりました。

都が開設・運用しているホテルなど10の施設で療養している軽症や無症状の人は、23日より17人減って966人となりました。

このほか、医療機関に入院するか、ホテルや自宅で療養するか調整中の人は、23日より236人増えて1291人です。

一方、すでに退院した人や、自宅などでの療養が終わった人は4万7172人となっています。

感染1.3倍 週平均は200人増

東京都内では、今月、24日までに合わせて1万3086人の感染が確認され、月別で最も多かった先月の1.3倍にのぼっています。

1日の感染確認は、先月までの最多が569人だったのに対し、今月は600人や700人を超える日がそれぞれ複数あり、17日は821人、そして24日888人になりました。

また、24日までの10日連続で曜日ごとで過去最多を更新していて、感染の拡大に歯止めがかかっていません。

7日間の平均で見ると、今月1日は1日当たり444.3人でしたが、23日は640人でおよそ200人増えました。

この7日間平均は、23日までの15日連続で過去最多を更新しています。

対策呼びかけ強化も感染拡大

都は、感染防止対策を強化し、都民や事業者に対策の徹底を繰り返し呼びかけてきましたが、感染拡大を食い止めるには至っていません。

このうち、酒を提供する飲食店やカラオケ店に対して営業時間を午後10時までに短縮するよう求める要請は、先月28日に始まりました。

今月中旬にかけて感染確認がさらに増加したことをうけて、当初は今月17日までの予定だった要請を、来月11日まで延長しました。

医療提供体制の強化に向けては、重症の患者向けのベッドを50床、中等症以下の患者向けのベッドを950床増やすよう医療機関に要請し、都内全体で4000床の確保を目指しています。

また、医療体制のひっ迫にともなって、ベッドを確保するため、これまでは一律入院としてきた65歳以上の高齢者のうち、70歳未満で基礎疾患のない人については、ホテルなどの宿泊施設で療養してもらうことにしました。

一方、都内の検査数は、今月は22日までの平均で1日当たり7843件で、先月をおよそ2000件上回っています。

小池知事は、今月だけで3回、臨時の記者会見を開き、「年末年始は『家族でステイホーム』にご協力いただきたい」などとして、帰省はできるだけ避け、買い物や通院などやむをえない場合を除いて外出の自粛を徹底してほしいと繰り返し呼びかけていました。

入院患者1.3倍死者は6月以降最多

東京都内で新型コロナウイルスに感染し入院している患者は、23日時点で2103人です。

1647人だった今月1日と比べて456人、1.3倍に増えました。

確保している病床に占める入院患者の割合は、23日時点で70.1%です。

このうち重症の患者は高い水準で推移していて、今月は、1日が62人だったのに対し、15日には、緊急事態宣言が解除されて以降では最も多い78人となりました。

24日時点では73人です。

一方、新型コロナウイルスに感染し、今月、死亡した人は63人で、すでに先月の53人を10人上回り、6月以降では最も多くなっています。