ワクチン優先接種対象「基礎疾患」は慢性の心臓病やがんなどに

新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は優先接種の対象とする「基礎疾患」を、慢性の心臓病やがんなどとする案をまとめました。肥満の人も含める方針で、対象は820万人にのぼる見通しです。

新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は
▽来年2月下旬をめどに医療従事者、
▽3月下旬をめどに高齢者への接種を始める体制を確保し、
その後、
▽基礎疾患のある人などに優先して接種を行う方針です。

こうした中、厚生労働省は、優先接種の対象とする具体的な基礎疾患の案をまとめました。

対象となるのは
▽慢性の心臓病や腎臓病などに加え、
▽呼吸器の疾患や、
▽がんなどの免疫機能が低下する病気、
▽睡眠時無呼吸症候群などで通院や入院をしていることが条件です。

基礎疾患があることを示す証明書の提出は求めず、予診票で確認するとしています。

肥満の程度を示す「BMI」が30以上の人も優先接種の対象とし、基礎疾患のある人と合わせると、成人だけでおよそ820万人にのぼると推計されています。

また、医療従事者に続いて優先的に接種を受けられる「高齢者」については、令和3年度中に65歳以上に達する人とします。

60歳から64歳の人も、ワクチンの供給量によっては基礎疾患がある人と同じ時期に接種を受けてもらうことを検討するということです。

厚生労働省は、この案を25日開く専門家会議で示すことにしています。

優先される基礎疾患は

厚生労働省の案で「基礎疾患」とされているのは
▽慢性の呼吸器の病気
▽慢性の心臓病(高血圧を含む)
▽慢性の腎臓病
▽慢性の肝臓病(脂肪肝や慢性肝炎を除く)
▽インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病、またはほかの病気を併発している糖尿病
▽血液の病気(鉄欠乏性貧血を除く)
▽免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む)
▽病気の治療で、ステロイドなど免疫の機能を低下させる治療を受けている
▽免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患
▽神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害など)
▽染色体異常
▽重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害が重複した状態)
▽睡眠時無呼吸症候群です。

いずれも通院や入院をしている人が対象となります。