コロナワクチン 専門家「安全性や持続性は注意深く検証必要」

新型コロナウイルスのワクチンの現状について専門家が会見し、すでにアメリカなどで接種が始まっているワクチンは有効である可能性が高いものの、安全性や持続性については今後も注意深く検証していく必要があるという見方を示しました。

新型コロナウイルスのワクチンをめぐっては、アメリカの製薬大手ファイザーなどによるワクチンの接種がすでにアメリカやイギリスで始まっているほか、アメリカの製薬会社モデルナが開発したワクチンも出荷が始まっています。

21日は、国内でワクチン開発に携わる国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターの長谷川秀樹センター長が会見し、ワクチンの安全性と効果について説明しました。

この中で、長谷川センター長は、ファイザーなどによるワクチンと、モデルナのワクチンについて、両方とも、ワクチンに似せた偽の薬「偽薬」を投与したグループと比べて、1回目の接種後10日目以降から発症率が低くなっていて、少なくとも短期的には有効である可能性が高いと述べました。

一方で、これらのワクチンは臨床試験で接種した人でもまだ3か月ほどしかたっていないため効果がどの程度持続するのかや、安全性についてはまだ不明な点もあると指摘しました。

ファイザーなどが開発したワクチンは、アメリカでは6人が激しいアレルギー症状を示したという報告も出ていますが、長谷川センター長は副反応について、接種から1週間と、3か月、さらにそれ以降と分けて考える必要があり、メカニズムも異なるため今後も注意深く検証していく必要があるという見方を示しました。

長谷川センター長は「副反応は接種後、だいぶ時間たってから出ることもあり、安全性や効果については引き続き慎重に見ていく必要がある」と話しています。