タイ 1日過去最多の500人超の感染者 拡大地域で往来など制限

新型コロナウイルスの感染者をこれまで4000人余りに抑え込んできたタイで、1日としては過去最多となる500人以上の感染者が確認され、タイ政府は、感染が拡大している県で、県境をまたぐ人の往来などを制限する措置を行うと発表しました。

タイ政府は20日会見を行い、首都バンコクに隣接するサムットサコン県にあるエビなどの鮮魚市場で、外国人の作業員を中心に感染者の集団=クラスターが発生し、1日としては過去最多となる576人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。

タイ政府のタウィシン報道官は「地元の政府はすでに制限をかける地域を特定し、鮮魚市場と作業員の宿舎の閉鎖を命じた」と述べたうえで、サムットサコン県で、県境をまたぐ人の往来や店舗の営業、それに夜間の外出を制限する措置を来年1月3日まで行うことを明らかにしました。

タイ政府は早い段階で外国からの入国や飲食店の営業を制限するなど感染防止策を強化したため、これまでの感染者を4300人余りに抑え込み、この半年以上、新たに確認される感染者は空港の検疫がほとんどで、1日の感染者数は1桁か2桁にとどまっていました。

今回、感染者数が急増したうえ、バンコクに住む高齢の女性が鮮魚市場を訪れたあとにウイルスに感染していたことが確認されたため、タイ政府は人口が集中する首都で感染が拡大することへの警戒を強めています。