来年度の成長率の見通し プラス4%程度に上方修正 閣議で了解

政府は、来年度の経済成長率の見通しを、実質でプラス3.4%程度としていたこれまでの見通しから、プラス4.0%程度に上方修正することを18日の閣議で了解しました。新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ個人消費などが、新たな経済対策の効果で回復に向かうことを反映させたとしています。

政府は来年度予算案を編成する前提となる、来年度の経済成長率の見通しを閣議で了解しました。

それによりますと物価の変動を除いた実質でプラス4.0%程度と、ことし7月に示した見通しのプラス3.4%程度から上方修正しました。

これは比較可能な平成7年度以降では、最も高い水準になります。

上方修正の理由について政府は、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ個人消費などが、今月8日に決定した新たな経済対策の効果で回復に向かうことなどを反映させたとしています。

ただ、各地で感染者が急速に増加し、飲食店に対する営業時間の短縮要請など経済活動を制約する動きも広がっていて、先行きは不透明感が強まっています。

一方、今年度の経済成長率については、新型コロナウイルスの影響が想定以上に大きかったとして、7月時点のマイナス4.5%程度からマイナス5.2%程度に下方修正しました。

経済再生相「来年度の第4四半期にコロナ前の水準に」

政府が来年度の経済成長率の見通しを上方修正したことに関連して、西村経済再生担当大臣は18日の閣議のあとの記者会見で「来年度の第4四半期にはGDPをコロナ前の水準に回復させることが可能だ」と述べました。

この中で西村大臣は「新たな経済対策を着実に実施することで、設備投資をはじめとする民間需要が喚起されて日本経済が自律的に回復していくことが期待される」と指摘しました。

そのうえで「来年度の第4四半期には名目GDP、実質GDPともにコロナ前の水準を回復することが見込まれる。感染拡大防止と社会経済活動の両立、それに経済対策によって、こうした姿を実行することは可能だ」と述べ、来年度の第4四半期、再来年の1月から3月ごろには、日本経済を感染拡大前の水準に回復させるために全力を挙げる考えを示しました。