東京都 医療ひっ迫 70歳未満で疾患ない人 ホテル療養検討へ

東京都は、医療提供体制がひっ迫していることをうけて、さらに1000床を確保するよう医療機関に要請するとともに、これまでは一律入院としてきた65歳以上の高齢者であっても70歳未満で基礎疾患のない人は、ホテルなどの宿泊施設での療養を検討していくことになりました。

これは、17日開かれた東京都の新型コロナウイルスの対策本部会議で報告されました。

このなかでは、都内で感染拡大が続くなか医療提供体制を確保するため、重症の患者向けのベッドを今よりさらに50床増やして250床に、中等症以下の患者向けのベッドを今より950床増やして3750床にするよう医療機関に要請したことが報告されました。

合わせて1000床を追加し、都内全体で4000床の確保を目指します。

また、これまでは65歳以上の高齢者は一律入院としてきましたが、感染が拡大し、医療提供体制がひっ迫していることをうけて、70歳未満で基礎疾患のない人は、ホテルなどの宿泊施設での療養を検討していくことになりました。

小池知事は、「これまで以上に危機感を持つ必要がある。死亡者を出さない、重症者を出さない、医療提供体制の崩壊を防ぐという3つの柱を軸に都民の命を守り抜いていく」と述べました。

東京都医師会副会長 「余力だけでやれる時期は過ぎた」

東京都内の医療提供体制を分析・評価している東京都医師会の猪口正孝副会長は記者会見で、都が重症の患者向けのベッド250床を含む4000床の確保を都内の医療機関に要請したことについて「患者の増加率が全然減らず、むしろ上がってきている状況を考えると、4週間ぐらい先を見据えた時に、今の医療提供体制の維持では決して賄えない」と指摘しました。
そのうえで「余力だけでやっていける時期は過ぎた。体制としてはかなりひっ迫しているので、最も高い警戒レベルに引き上げた」と述べました。