米FRB 市場に大量の資金供給の量的緩和策 長期化方針を明確化

アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は、景気の下支えに向けて、市場に大量の資金を供給する量的緩和策を長期に続けていく方針を明確化しました。
パウエル議長は、「今後、数か月が景気の試練になる」としていてさらなる緩和の是非も検討する見通しです。

FRBは16日、ことし3月から続けているゼロ金利政策を維持したうえで、国債などを購入して市場に大量の資金を供給する量的緩和策を長期に続けていく方針を明らかにしました。

具体的には、声明の中で、国債などを購入する期間について、「雇用や物価の面で実質的な進展がみられるまで継続する」と明記しました。

今回の決定の背景には、アメリカで新型コロナウイルスの感染が再び拡大していることで、各地で失業保険の申請が増加するなど、景気や雇用の先行きに不透明さが出ていることがあります。

記者会見でパウエル議長は、「国内外で感染が再拡大していることは気がかりで、これからの数か月が試練となる。景気を支えるためあらゆる手段を使っていく」と述べました。

FRBは、量的緩和の規模の拡大など、さらなる金融緩和の議論も行っていて、当面の経済状況や、政府による追加の経済対策の動向などを見極めながらその是非を検討する見通しです。