特定の遺伝子導入で“卵子に似た細胞” 効率よい作成に成功

体のさまざまな組織に変化できるES細胞やiPS細胞に特定の遺伝子を導入することで「卵子に似た細胞」を効率よく作り出すことに、九州大学のグループがマウスを使った実験で成功したと発表しました。不妊の原因解明や新たな治療法の開発などに役立つと期待されています。

これは九州大学大学院医学研究院の林克彦教授とワシントン大学の浜崎伸彦特別研究員らのグループが発表しました。

グループでは、ヒトやマウスなどの卵子ができる際に働く8つの遺伝子を特定し、これらの遺伝子をマウスのES細胞やiPS細胞に組み込んで働かせたところ、卵子に非常によく似た細胞に変化したということです。

さらに、グループがこの卵子によく似た細胞を使って人工授精を行ったところ、細胞分裂が始まることも確認できました。

ただ、本物の卵子とは染色体の状態が異なっていて、細胞分裂は3回までで止まってしまったということです。

グループによりますと、これまでマウスのES細胞から卵子を作り出すにはさまざまな条件を加えながら培養する必要があり、3週間ほどかけて数千個程度しかできませんでしたが、今回の方法では5日間で数十万個ほどの細胞ができたということです。

浜崎伸彦特別研究員は「卵子の研究が進むことで、究極的には不妊治療への貢献や不妊の原因の解明にも応用できる可能性があると期待している」と話しています。