米食品医薬品局 モデルナのワクチン「安全上懸念特定できず」

アメリカの製薬会社「モデルナ」が開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、緊急使用の許可を出すかどうか審査を行っているアメリカのFDA=食品医薬品局は、臨床試験の結果の詳細な分析資料を公表し「緊急使用の許可を妨げるような安全上の懸念は特定できなかった」との評価を明らかにしました。

アメリカの製薬会社モデルナは、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて先月、FDAに緊急使用の許可を申請し、現在審査が行われています。

FDAは15日、およそ3万人の臨床試験の結果を分析したワクチンの効果と安全性に関する詳細な資料を公表しました。

それによりますと、2回の接種を終えて14日目以降での新型コロナウイルスの感染症への有効性は94.1%でした。

年代別にみますと、18歳から65歳未満では95.6%で、65歳以上は86.4%となっています。

一方、分析の対象となった人のうち91.6%が接種部位の痛みを訴えたほか、68.5%にけん怠感、63%に頭痛、59.6%に筋肉痛、44.8%に関節痛、43.4%に寒気などがみられたということですが、大半は、軽度から中程度だったということです。

FDAは安全性について「緊急使用の許可を妨げるような安全上の懸念は特定できなかった」と評価しています。

FDAは今月17日にこのワクチンについて専門家の評価を聞く委員会を開催する予定で、この委員会での意見を踏まえて緊急使用の許可を出すかどうか速やかに判断する見通しです。