新型コロナ対策「勝負の3週間」最後の週末 各地の様子は

新型コロナウイルスの対策を集中的に行う「勝負の3週間」の期限が来週に迫っています。感染が拡大する中で最後の週末を迎え、観光施設を休館する地域なども出ています。

広島 広島城などの施設を休館

広島県内では、11月下旬以降感染者が急速に増え、11日は1日の発表としてはこれまでで最も多い110人の感染が確認されました。

これを受けて、広島県は12日から1月3日までの間、集中的に対策を強化する期間と位置づけ、県内で感染者が最も多い広島市は、人が集まる機会を減らすため市が管理する45の施設を対象に12日から順次、休館とする措置を始めました。
このうち広島市中区の広島城では、城の前に臨時休館を知らせる看板が設けられ、休館を知らずに訪れた人たちが城の外から写真撮影をする姿が見られました。

東京から家族で訪れた20代の女性は「お城が好きで来たのに中に入れないのは残念です」と話していました。

広島城の小林奈緒美 主幹学芸員は「感染拡大の防止が休館の目的ですので、感染が落ち着いてからまた訪れていただけたらうれしいです」と話していました。

12日から来月3日までの間は、広島市が主催するイルミネーションなどのイベントも中止や延期が決まっています。

北海道 札幌の中心部でも人はまばら

北海道は感染拡大が続いていることから10日、新型コロナウイルスの集中的な対策期間を来月15日まで延長することを決定し、今月25日まで、札幌市と旭川市で感染のリスクを避ける対策がとれない場合に不要不急の外出を控えることなどを要請しています。

対策期間の延長が決まって初めての週末となった12日、札幌市の中心部にある大通公園でも歩く人の姿はまばらです。

このうち、医療機関で働く札幌市の50代の男性は「患者が増えている状況なのでもっと規制を強めるべきだし『Go Toトラベル』についても札幌の除外は継続すべきだと思います」と話していました。

また、札幌市の70代の女性も「不要不急の外出は控えています。感染症で命を落とす危険性を考えれば、要請の延長はやむを得ないと思います」と話していました。

一方で、札幌市に住む20代の女性は「飲食店などは急に対応ができないと思います。要請の延長はいいですが、もっと早く発表すべきだったと思います」と話していました。

京都 観光地の混雑見られず

京都の観光地では先月、紅葉のシーズンとあって多くの観光客が訪れていましたが、京都市東山区の八坂神社の周辺では、12日の午前中着物を着て散策する観光客の姿も見られましたが、人の姿はまばらで目立った混雑はありませんでした。

栃木県から観光に訪れた20歳の女性は「感染者数が増えていることは気にはなりましたが、『Go Toトラベル』が終わらないうちにと思い旅行に来ました。感染には気をつけながら楽しみます」と話していました。

祇園商店街振興組合の北村典生理事長は「先月の紅葉シーズンは人出も多かったですが、感染者が増えてきていて人出はかなり減ったと感じています。今は耐える時期だと思っているので、観光客ともお互いに感染対策をとってやっていきたいです」と話していました。

東京「かっぱ橋道具街」 訪れる人は半減

調理道具などを扱う専門店が連なり、飲食店の関係者が多く訪れる東京・台東区の「かっぱ橋道具街」は、政府が「勝負の3週間」として新型コロナウイルスの感染拡大の対策を呼びかけてから最後の週末となる中、訪れる人の数が例年の半分程度になっているということです。

このうち、飲食店用の器具を主に扱う三木商店では、年末が1年で最も売り上げがのびるということですが、「勝負の3週間」に入ってから全体の売り上げが3割ほど減っているということです。

特にスプーンや割り箸などの消耗品で売り上げが半分近くになっていて、飲食店への時短営業の要請が影響しているとみています。

三木商店の代表の三木茂さんは「ことしは厳しい年越しになりそうです。早く感染がおさまって人出が戻ることで、以前のような活気を取り戻したい」と話していました。

「かっぱ橋道具街」に千葉県から訪れた50代の女性は「外に出ないほうがいいとは思いますが、短時間で買い物を済ませて帰ろうと思います。早く安心して外に出たいです」と話していました。

また、都内から訪れた60代の男性は「外で歩きながらの買い物であれば感染のリスクは少ないように感じています」と話しています。