米五輪委 宗教や人種など選手の抗議活動 東京大会から制裁せず

オリンピックやパラリンピックの競技会場などで、選手が政治、宗教、人種などに関する宣伝活動を禁じているオリンピック憲章の規定をめぐって、USOPC=アメリカオリンピック・パラリンピック委員会が、東京大会からアメリカの選手がそのような行動をしても、平和的な抗議活動であれば制裁は科さないという方針を示しました。

オリンピック憲章は、競技会場などでデモや政治、宗教、人種に関する宣伝活動を禁じていて、1968年のメキシコ大会では黒人差別への抗議活動として表彰台で拳をあげたアメリカの選手が大会から追放された例があります。

一方で、ことしアメリカでは黒人差別の撲滅を目指して「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)」という運動が広がり、スポーツ界でも、テニスの大坂なおみ選手が白人の警官に押さえつけられて亡くなった黒人男性の名前が書かれた黒いマスクをはめて試合会場に現れるなど、選手による抗議の動きが広がっています。

こうした事態を受けてUSOPCは10日、声明を発表し、来年の東京大会以降、アメリカ選手団の選手がそのような発言や行動を行ったとしても、人種差別の撤廃や社会正義を訴える平和的な抗議活動であれば制裁を科さないという方針を示しました。

USOPCはすでにIOC=国際オリンピック委員会に対して憲章の改正を求めていて、IOC選手委員会のコベントリー委員長は「他の国からも寄せられている意見とあわせて検討していく」というコメントを発表しました。

選手委員会は、来年3月のIOC理事会までに提言をまとめる方針で、IOCの対応が注目されます。