自民・公明 新型コロナの影響を踏まえた税制大綱の内容固める

来年度の税制改正について、自民・公明両党は新型コロナウイルスの影響を踏まえ、来年度に限って、すべての土地を対象として固定資産税の負担が増えないようにすることなどを盛り込んだ大綱の内容を固めました。

自民・公明両党は、9日夕方に与党税制協議会を開き、来年度の税制改正に向けた取りまとめの議論を行い、大綱の内容を固めました。

「固定資産税」すべての土地対象 税負担増えず

この中では、固定資産税について、新型コロナウイルスの影響が続いていることを踏まえ、来年度に限って、商業地や住宅地、農地も含む、すべての土地を対象に、税額の負担が増えないようにするとしています。

具体的には、地価の上昇に伴って、ことし1月の地価公示に基づく課税額が今年度を上回る場合、来年度は税額を据え置き、今年度と同額にする一方、地価の下落で課税額が減る土地については、そのまま課税額を引き下げるとしています。

「住宅ローン減税」対象の床面積や所得制限変更

また、「住宅ローン減税」は、対象となる物件の床面積を50平方メートル以上から40平方メートル以上に拡大する一方、新たに対象となる40平方メートル以上、50平方メートル未満の場合は、所得制限を厳しくして3000万円以下から1000万円以下に引き下げます。

そして、控除額については、再来年度から見直し、年末時点のローン残高の1%か、その年に支払った利息の総額の少ないほうとします。

「エコカー減税」適用期限 来年4月末から2年間延長

燃費のいい車を対象に自動車重量税を減免する「エコカー減税」は、適用の期限を来年4月末からさらに2年間延長するとしています。

このうちクリーンディーゼル車については、一律で免税としている措置を廃止する一方、燃費基準を達成している車種のみ、2年間に限って免税を継続するなどとする特例措置を設けます。

脱炭素やデジタル化取り組む企業に優遇措置も

さらに、菅政権が掲げる脱炭素社会の実現や、デジタル化に取り組む企業を対象にした税制面の優遇措置も盛り込まれています。

2050年までの脱炭素社会の実現に向けては、企業が温室効果ガスの大幅な削減などにつながる最新設備を生産ラインに導入した場合、一定の条件を満たせば、投資額の最大10%を法人税額から差し引くか、減価償却費に最初の年度だけ投資額の50%を上乗せできるようにします。

また、デジタル化の推進に向けては、業務を効率化するためクラウドサービスを活用してデータの共有を図るなどの設備投資を行った企業に対し、投資額の最大5%を法人税額から差し引くなどとしています。
自民・公明両党は、あす税制調査会長や政務調査会長らが会談し、来年度の税制改正大綱を正式に決定することにしています。