経団連会長 来年の春闘「ベースアップ議論する状況にない」

来年の春闘について、経団連の中西会長は、新型コロナウイルスの感染が再び拡大し不透明感が強まっている今の経済状況では「ベースアップを議論する状況にはない」と述べ、一律の賃上げには慎重な考えを示しました。

経団連の中西会長は7日の記者会見で、来年の春闘について「正式に発表できるのは来年の1月だが、今の経済状況を見ると、ベースアップがいくらと議論する状況にはないだろう」と述べ、一律の賃上げには慎重な考えを示しました。

そのうえで「労使が一体となって、雇用の維持や今後の経済の在り方について議論し、いろんなことを決めないといけない」と述べ、雇用の維持などが優先的な課題になるという認識を示しました。

経団連は来年の春闘に向けた経営側の指針となる基本方針の原案で、「業種の横並びや各社一律の賃金引き上げを検討することは現実的ではない」としたうえで、業績が悪化している企業では「基本給を引き上げるベースアップの実施は困難である」と明記し、8年ぶりに賃上げに慎重な方針を示す見通しです。