はやぶさ2 本体からカプセル分離成功 帰還関係の主な時刻公表

日本の探査機「はやぶさ2」は日本時間の5日午後2時半、カプセルの分離に成功しました。カプセルには小惑星の砂が入っているとみられ、6日未明に地球の大気圏に突入してオーストラリア南部の砂漠地帯に着地する計画です。プロジェクトチームは、カプセルの帰還に関係する6日の主な時刻を公表しました。

「はやぶさ2」は、探査した小惑星「リュウグウ」の砂が入ったとみられるカプセルを帰還させるため地球に向けて飛行していました。そして5日午後2時半、地球からおよそ22万キロ離れた位置でカプセルを地球に向けて分離することに成功しました。

カプセルは地球に向かい、6日午前2時28分に地球の大気圏に突入し、その後、パラシュートを開いてオーストラリア南部の砂漠地帯に着地することになっています。カプセルは天気がよければオーストラリア上空で、大きな流れ星のような火球として30秒余り観測できると予想されています。

また、「はやぶさ2」は燃料が多く残っていることから、分離後すぐに軌道を変更して新たなミッションに向かっていて、別の小惑星に11年後に到着し、探査を行うことになっています。

世界に先駆けて行った日本の小惑星探査プロジェクトが、初号機に続いて小惑星の砂を持ち帰ることができるか世界の注目が集まっています。

管制室では大きな歓声

カプセルの分離が確認されると、管制室の中では作業にあたる人たちが立ち上がるとともに大きな歓声を上げ、ひじを突き合わせるなどして成功を喜んでいました。

カプセル分離の成功を受けて、神奈川県相模原市にある宇宙科学研究所の会見場ではJAXAの担当者が「はやぶさ2の挑戦はリュウグウに岩石が多く、一時は小惑星が牙をむいたという困難な時もありましたが、順調に進めてくることができました。カプセルの分離成功は4つのデータで確認しますが、それがうまくいったことが確認されたということです」と話していました。

JAXA久保田教授「完全で完璧」

JAXAの久保田孝教授は「どんなことが起こるかわからない中、まずはここまで完全で完璧としかいいようがない運用をした。本当におめでとうと言いたい。分離という一大イベントに続きこれから回収という次のステップにつなげるとともに次の目的地にもむかいつつある『はやぶさ2』は本当にすごいと思いました」と話していました。

大気圏突入などカプセル帰還の詳しい時刻は

「はやぶさ2」のプロジェクトチームは、カプセルの帰還に関係する6日の主な時刻を公表しました。

それによりますと、いずれも日本時間で、カプセルが高度120キロの大気圏に突入する時刻は、6日午前2時28分27秒になるということです。

カプセルが火球となる時刻は午前2時28分49秒から午前2時29分25秒までの30秒余りとしています。その間に高度は80キロから40キロに降下します。

パラシュートが開くのは高度11キロから7キロの間で、時刻は午前2時31分から午前2時33分ごろとみられています。

カプセルの着地は午前2時47分から午前2時57分ごろになるということです。

「心踊る冒険」フランスとドイツから祝福の声

フランス国立宇宙研究センターのジャン=イヴ・ル・ガル総裁はメッセージで「皆さんとともにお祝いできるのを大変うれしく思います。地球外天体のかけらを積んだ探査機が宇宙での長い旅を終えて地球へ帰還します。このような機会に立ち会えとても感慨深いです。JAXAの方々が完璧に遂行したこの心踊る冒険をとても誇りに思います」と話しました。

ドイツ航空宇宙センター東京オフィスのニコラス・ラインケ所長は「JAXAの皆さん、本当におめでとうございます。わくわくする瞬間に立ち会えて本当にうれしいです。わが国との関係は90年代から始まっていて、ヨーロッパとも深い関係を築いてきました。今後も大きなプロジェクトがあり将来への協力に向けてもさらに信頼を深めました」と祝福していました。

「はやぶさ2」はドイツとフランスが開発した観測用の小型ロボットを搭載し、リュウグウの地表に投下することに成功していました。

交信施設がある長野 佐久 大勢の人が分離成功を喜び合う

日本の探査機「はやぶさ2」と交信を行う施設がある長野県佐久市では、大勢の人たちがカプセル分離の様子をパブリックビューイングで見守り成功を喜び合いました。

長野県佐久市には「はやぶさ2」と交信をしているJAXA臼田宇宙空間観測所の直径64メートルの巨大なパラボラアンテナがあります。

5日は「はやぶさ2」のカプセル分離を見守ろうと、佐久市子ども未来館でパブリックビューイングが行われ、家族連れなど66人が集まりました。

会場のプラネタリウムのスクリーンにはJAXAの管制室の中継映像が映し出され、集まった人たちが分離の瞬間を待ちました。

午後2時半すぎにカプセルの分離に成功したことが確認されると、集まった人たちは手をたたき笑顔で喜んでいました。

参加した小学4年生の男の子は「カプセルが分離できて安心しました。このまま無事に地球にカプセルが戻ってきてほしいです」と話していました。

40代女性は「分離が成功したと聞いたときは感動しました。カプセルの中身が無事に地球に届いてほしいです」と話していました。

初号機打ち上げの鹿児島 肝付町 カプセル分離を見守る催し

「はやぶさ2」がカプセルを分離する瞬間を見守る催しが、17年前に「はやぶさ」の初号機が打ち上げられた鹿児島県肝付町で行われました。

肝付町には、「はやぶさ」の初号機が打ち上げられたJAXA=宇宙航空研究開発機構の施設があり、5日の催しには、およそ40人が集まりました。

はじめに、施設の所長が「はやぶさ2」のミッションを説明し、小惑星「リュウグウ」を探査することで、太陽系の成り立ちを調べる手がかりが得られると期待されることなどを紹介しました。

その後、神奈川県にある管制室の様子が中継で映され、午後2時半ごろに小惑星「リュウグウ」で採取した砂が入っているとみられるカプセルの分離に成功したことが分かると、集まった人たちが大きな拍手を送っていました。

小学6年生の男の子は「カプセルが地球に向かっていることを知って安心しました。『はやぶさ2』は何年間も宇宙で頑張っているので自分も夢に向かって頑張りたいです」と話していました。