WHO事務局長 ワクチン承認歓迎も 感染対策の緩みに懸念

WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は、イギリスで新型コロナウイルスのワクチンが承認されたことを歓迎する一方で、「パンデミックがこれで終わりだという認識が広がっていることを懸念している」と述べ、ワクチンの開発が進む中、感染対策に緩みが出ることに懸念を示しました。

アメリカの製薬大手ファイザーとドイツの企業ビオンテックが開発した新型コロナウイルスのワクチンは、イギリスで今月2日に承認され、来週前半から接種が始まることになっています。

WHOのテドロス事務局長は4日、スイスのジュネーブで開いた定例の記者会見で、「トンネルの終わりに光が見え始める一方、パンデミックがこれで終わりだという認識が広がっていることを懸念している」と述べ、ワクチンの開発が進む中、感染対策に緩みが出ることに懸念を示しました。

そのうえでテドロス事務局長は、世界の多くの場所では今も医療体制がひっ迫した状況が続いているとして、一人一人が感染対策を徹底する必要があると呼びかけました。

また、危機対応を統括するライアン氏も「ワクチンは今ある感染対策の大きな助けになるが、ワクチンによって、ウイルス自体がなくなるわけではない」と強調しました。