アフガニスタン 中村哲さん銃撃事件から1年 母校で追悼の半旗

アフガニスタンで長年、人道支援に取り組んできた医師の中村哲さんが銃撃され、死亡した事件からきょうで1年です。母校の九州大学では追悼して半旗が掲げられました。

福岡市のNGO「ペシャワール会」の現地代表として、アフガニスタンで長年、人道支援や復興に携わってきた医師の中村哲さんは(当時73)去年12月4日、東部のナンガルハル州で何者かに銃撃され死亡しました。

命日にあたる4日は、母校の九州大学で中村さんを追悼して半旗が掲げられました。

また「ペシャワール会」の事務所には関係者らが集まって、1年前に銃撃の知らせを受けた午後0時半にあわせて黙とうをささげたということです。

「ペシャワール会」のメンバーなどは、アフガニスタンで用水路をつくり、干上がった大地を緑豊かな土地へ生まれ変わらせようと取り組んだ中村さんの遺志を受け継ぎ、用水路建設のためのガイドライン作りを進めています。

日本語版のガイドラインは年内にも完成する予定で、英語などへの翻訳も行われ、現地の技術者たちに配布されるということです。

ガイドラインの作成に携わった藤田千代子さんは「アフガニスタンの人たちにとっても大変励みになるのではないか。『希望』そのものと感じている」と話しています。

自宅のある福岡 大牟田では竹灯ろうで追悼

中村さんの自宅がある福岡県大牟田市では、市民が手作りの竹灯ろうに火をともして追悼しました。

竹灯ろうの点灯は、大牟田ペシャワール会の会員などでつくる実行委員会が行ったもので、市内の中心部におよそ300本の手作りの竹灯ろうが並べられました。

午後5時すぎに点灯式が行われ、中村さんの長女の秋子さんがろうそくに火をつけたのを合図に会場の竹灯ろうが一斉にともされました。

竹灯ろうには、中村さんがアフガニスタンでも大切に植えていたというバラの花や、信条として常々語っていた「一隅を照らす」ということばなどが刻まれています。

会場は温かみのある柔らかい光に包まれ、集まった地元の人たちがアフガニスタンの人道支援に生涯をかけた中村さんをしのんでいました。

大牟田ペシャワール会で代表を務める沖牟田龍雄さんは「竹灯ろうには中村さんへのみんなの思いが込められています。中村さんの活動を振り返り、みずからの生き方を見つめ直すきっかけになればと願っています」と話していました。