「けがの原因が揺さぶりと言い切れない」母親に無罪判決 大阪

3年前、生後4か月だった長男の体を揺さぶるなどして、頭に大けがをさせたとして、傷害の罪に問われた母親に対し、大阪地方裁判所は「けがの原因が揺さぶられたことだとは言い切れない」と判断して無罪を言い渡しました。

3年前、大阪府内に住む生後4か月の男の子が、急性硬膜下血腫などを発症したことをめぐり、35歳の母親が体を強く揺さぶって頭部に衝撃を与え、大けがを負わせたとして傷害の罪で起訴されました。

母親は一貫して否定し、裁判で弁護側は男の子にはもともと慢性的な症状があり、自転車に乗せた程度の揺れでも発症する可能性があったとする医師の意見を示したうえで「母親が暴行した事実はなく、男の子のけがは他の原因によるものだ」と無罪を主張していました。

4日の判決で大阪地方裁判所の大寄淳裁判長は「検察の主張は前提となっている、けがを負ったときの状況が正確とはいえない。強い揺さぶり以外にけがの原因があるという可能性を否定することはできない」と指摘して、母親に無罪を言い渡しました。

乳幼児が揺さぶられ脳に大けがを負ったとして、親などが虐待を疑われた事件では、ここ数年、全国の裁判所で無罪判決が相次いでいます。

母親「無罪判決で1つの区切り」

4日の法廷で母親は時折ハンカチで涙をぬぐいながら、無罪の判決を聞いていて、言い渡しが終わると、夫と泣きながら抱き合っていました。

また、裁判のあとの弁護士の会見で、母親のコメントが読み上げられました。

この中では「逮捕されてから3年。本日、無罪の判決を受けて1つの区切りを迎えました。協力・応援してくれた関係者や弁護士に心から感謝します」と述べています。

弁護士によりますと母親は判決のあと「虐待がないことをはっきりと言ってもらえた。今はそれだけでうれしいです」と話していたということです。

母親の弁護士「幼児のけがを『虐待』と決めつけないで」

判決のあと母親の弁護を担当した川上博之弁護士は、記者会見を開き「医学的な争点に関する専門性の欠如を裁判所が丁寧にみて、正しい判断をしたと思っている。幼い子どもがけがをしたときに『虐待だ』と決めつける、間違ったメッセージが発せられ、彼女のように苦しむ人が今後はでないようにしてほしい」と話していました。

大阪地検「内容を精査し適切に対応する」

無罪判決について、大阪地方検察庁の山本真千子次席検事は「内容を精査し、上級庁と協議のうえ、適切に対応する」というコメントを出しました。